2011.12.01
デジタル技術の視点で楽しむ
「ウフィツィ・ヴァーチャル・ミュージアム展」
東京・九段のイタリア文化会館で、ユニークな試みの展覧会が開かれています。フィレンツェのウフィツィ美術館のコレクションを最新のデジタル技術で再現し、代表作のレプリカや画像を展示するものです。門外不出とされている名画の超高精細複製を日本にいながら楽しめるチャンスになっています(しかも、入場無料!)。
本展の見どころのひとつは、実物大レプリカです。レプリカですからイミテーションではあるのですが、つくり込みの本気度が違うため、十分鑑賞に耐えるものになっています。
どういう作品が実物大で再現展示されているかというと、
ボッティチェリ 《春》、《ヴィーナスの誕生》
ミケランジェロ 《聖家族(トンド・ドーニ)》
ラファエロ 《ヒワの聖母》
ティツィアーノ 《ウルビーノのヴィーナス》
カラヴァッジョ 《バッカス》
レオナルド・ダ・ヴィンチ 《受胎告知》
など、全部で10点。こうして列挙すると、さすがにウフィツィのコレクションは分厚いなと改めて感心してしまいます。
また、美術館での展示では、たいてい、あるラインより近づけないようになっていますが、ここではごく間近まで絵に寄って、じっくりと見ることが可能です。

なので、《ヴィーナスの誕生》のヴィーナスの表情も、こんなふうに(↑)クローズアップで捉えることができます。こういう楽しみ方はデジタル・ミュージアムならではですね。
本展では実物大レプリカのほか、大型の液晶タッチディスプレイを使って、ウフィツィ美術館のコレクション100点を見ることができる「名画ナビゲーション」という試みもなされています。「名画ナビゲーション」では、絵のデジタル画像を自由に拡大して、作品の隅々まで細かく見ることができるようになっています。それにつれて、非常に面白い"発見"もされています。
肉眼で見る限り、なかなかわからないのですが、「名画ナビゲーション」でこの部分を拡大して見ると、間違いなくカラヴァッジョの顔が描かれているのがはっきりとわかります。こうしたことも、実物の鑑賞では望めないことですから、デジタル・ミュージアムといっても決して侮れません。ぜひ、ご自分の眼で確認してみてください。
もうひとつ嬉しいのは、本展ではストロボを発光させない限り、写真撮影が認められているということ。美術展では写真撮影禁止がほとんどです。それだけに自由に撮影できるというのは、文字通り、有難いこと。名画と一緒に記念撮影することも可能です。
かつて、ドイツの思想家ヴァルター・ベンヤミンは『複製技術時代の芸術』において、映画や写真など芸術が複製可能になることによって、どのような変化が芸術にもたらされたかを思索しました。もし彼が、今日のデジタル複製技術とそれによる新しい芸術の展開を見たら、きっと仰天したことでしょう。
なお、これらのデジタル複製には日本の日立製作所の技術が活用されています。ウフィツィ美術館が世界で唯一認めたのが日立のデジタル複製技術なのです。日本人の私たちには、ちょっと誇らしい話ですね。
本展の見どころのひとつは、実物大レプリカです。レプリカですからイミテーションではあるのですが、つくり込みの本気度が違うため、十分鑑賞に耐えるものになっています。
どういう作品が実物大で再現展示されているかというと、
ボッティチェリ 《春》、《ヴィーナスの誕生》
ミケランジェロ 《聖家族(トンド・ドーニ)》
ラファエロ 《ヒワの聖母》
ティツィアーノ 《ウルビーノのヴィーナス》
カラヴァッジョ 《バッカス》
レオナルド・ダ・ヴィンチ 《受胎告知》
など、全部で10点。こうして列挙すると、さすがにウフィツィのコレクションは分厚いなと改めて感心してしまいます。
ボッティチェリ 《春》
ボッティチェリ 《ヴィーナスの誕生》
また、美術館での展示では、たいてい、あるラインより近づけないようになっていますが、ここではごく間近まで絵に寄って、じっくりと見ることが可能です。

なので、《ヴィーナスの誕生》のヴィーナスの表情も、こんなふうに(↑)クローズアップで捉えることができます。こういう楽しみ方はデジタル・ミュージアムならではですね。
本展では実物大レプリカのほか、大型の液晶タッチディスプレイを使って、ウフィツィ美術館のコレクション100点を見ることができる「名画ナビゲーション」という試みもなされています。「名画ナビゲーション」では、絵のデジタル画像を自由に拡大して、作品の隅々まで細かく見ることができるようになっています。それにつれて、非常に面白い"発見"もされています。
カラヴァッジョ 《バッカス》
肉眼で見る限り、なかなかわからないのですが、「名画ナビゲーション」でこの部分を拡大して見ると、間違いなくカラヴァッジョの顔が描かれているのがはっきりとわかります。こうしたことも、実物の鑑賞では望めないことですから、デジタル・ミュージアムといっても決して侮れません。ぜひ、ご自分の眼で確認してみてください。
もうひとつ嬉しいのは、本展ではストロボを発光させない限り、写真撮影が認められているということ。美術展では写真撮影禁止がほとんどです。それだけに自由に撮影できるというのは、文字通り、有難いこと。名画と一緒に記念撮影することも可能です。
かつて、ドイツの思想家ヴァルター・ベンヤミンは『複製技術時代の芸術』において、映画や写真など芸術が複製可能になることによって、どのような変化が芸術にもたらされたかを思索しました。もし彼が、今日のデジタル複製技術とそれによる新しい芸術の展開を見たら、きっと仰天したことでしょう。
なお、これらのデジタル複製には日本の日立製作所の技術が活用されています。ウフィツィ美術館が世界で唯一認めたのが日立のデジタル複製技術なのです。日本人の私たちには、ちょっと誇らしい話ですね。
ラファエロ 《ヒワの聖母》
<ウフィツィ・ヴァーチャル・ミュージアム展>
~2011年12月19日
イタリア文化会館
http://www.iictokyo.esteri.it/IIC_Tokyo
展覧会ホームページ
http://www.iictokyo.esteri.it/IIC_Tokyo/webform/SchedaEvento.aspx?id=427
~2011年12月19日
イタリア文化会館
http://www.iictokyo.esteri.it/IIC_Tokyo
展覧会ホームページ
http://www.iictokyo.esteri.it/IIC_Tokyo/webform/SchedaEvento.aspx?id=427
イタリア文化会館
2011.12.01 | CULTURE
藤田令伊
アートライター
大手出版社編集者・雑誌編集長を経て、フリーランスに。アーティストや美術館側からの“川上型”の発信が多いアート情報のなか、鑑賞者の立ち位置を大切にしてアートとファンを橋渡しすべく活動中。その文章や話はわかりやすく、面白いと定評がある。著書『現代アート、超入門!』『フェルメール 静けさの謎を解く』(集英社新書)。