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枝、畑の土ブロックを組む「Natural House Project」

2009.09.28

枝、畑の土ブロックを組む
「Natural House Project」


恵比寿ガーデンプレイス周辺を散歩していた先日、思わぬ発見を......。
今春、ガーデンプレイスのセンター広場で目にしていた「Natural House Project(ナチュラル・ハウス・プロジェクト)」の完成作品が、ガーデンプレイスの一角に常設されていたのでした。大木に寄り添うように置かれた、一軒の「小屋」です。

NH1.jpg Photo (C) WAKUWORKS
恵比寿ガーデンプレイスのオフィス近くにNatural Houseを発見。枝の間にトム・ソーヤーの姿が見えてきそうな佇まい。Photo: Courtesy of WAKUWORKS(他写真も)

近隣で剪定された木の枝から成る小屋......。「Natural House Project」は、東京を拠点とするアーティストと建築家によるもので、一般の人々も参加できるプロジェクトとして動き始めました。2回前の記事「リサーチ」、1回前の記事「Jamming(ジャミング)」に引き続き、いま注目したい考え方、つくり方を紹介します。

プロジェクトを推進するのはこの3名です。イギリス出身で、ニューヨークや南米、アフリカでも活動していた、ガーデナーでアートキュレーターのDavid Pollard(デヴィット・ポラード)さん。建築事務所、WAKUWORKS(ワクワークス)を主宰する兄妹、和久倫也(わく ともなり)さんと和久紗枝(さえ)さん。

NH2.jpg Photo (C) Degobert Alain
デヴィッド + WAKUWORKSの和久さん兄妹。恵比寿ガーデンプレイスでのプロジェクトの際の一枚。プロジェクトのためのユニフォームで。

NH3.jpg Photo (C) Degobert Alain 5月、恵比寿にて。

「私たちの身近にある自然、土や木の枝、草花を素材として、地域の人々と協働で小屋をつくるプロジェクトです」と3人。

小屋づくりには、公園で剪定された枝を中心に、畑の土や残土を圧縮してつくる土ブロックも用いられます。研究に研究を重ねた独自の土ブロック、その作業は子どもの頃に楽しんだ土遊びにもどこか似ていますが、小屋づくりのための数を用意するとなると、これはかなりの作業量......。

NH4.JPG

NH5.JPG Photo (C) WAKUWORKS
6月、7月、国立市にて。「土ブロックで小屋をつくろう!」プロジェクトから。

上の写真は今年の6月と7月。2カ月を費やし、プロジェクト開催地となった国立市の人々と土ブロックをつくり、積み上げていった様子です。ブロックの数を聞き、驚きました。その数1000個! にもかかわらず、参加者が疲れも見せずに楽しそうなのはなぜ? 

当初は野外トイレと物置をつくる計画だったそうですが、完成した小屋を目にした参加者から、「他の可能性がいろいろとあるのでは......?!」と期待の声が続出。最適の用途が検討されている現在ですが、その姿はカフェ「田園工房」の敷地内で目にできます。

ところでこの国立プロジェクトでは、「長期的に残る建築」を目標として、建築構造からしっかりと考えられています。そう、このプロジェクト、建築の新たな可能性を切り拓いていくものでもあるのです。

NH6.JPG

NH7.JPG Photo (C) WAKUWORKS

そしてこの秋、デヴィッド + WAKUWORKS チームの活動は、もちろん休止などしていません。道具一式を抱えた彼らが向かった先は、栃木県益子町。9月19日に幕をあけた「土祭(ひじさい)」の関連イベントです。

益子の土、砂、稲ワラ、石灰で土ブロックをつくり、そのブロックでベンチがつくられました。正面には、益子の廃棄レンガ、益子焼の失敗作、割れた破片を用いて「釜」を制作。よくあるベンチのイメージを覆す、オリジナリティ溢れる姿が目をひきます。ベンチ内側に敷かれているのは、稲ワラ。座る人がそれぞれにクッションをつくるためのワラです。

NH8.jpgPhoto (C) Degobert Alain(続く2枚も)
9月、益子町にて。場所は益子本通り、添谷書店駐車場。ボランティアで手伝ってくれた町内会の皆とブロックを積み上げて......。

NH9.jpgベンチ正面の釜。やきもので有名な益子ですが、それら益子焼の失敗作も活かしています。

 

NH10.jpgデヴィッドとWAKUWORKSは、参加した皆さんと手づくり釜で焼いた栗を食べながら、ベンチ完成を祝ったそう。このベンチは「土祭」会期中(10/4まで)、置かれています。益子駅より徒歩約5分。詳細は http://www.hijisai.net/map/zone/fringe.html

重要なのは、この「Natural House Project」の根底に流れる彼らの考え方。

「身近な自然は世代や国境を越えて人々をつなぐコミュニケーションツールとなると考えます。目ざすのは、10年後、100年後を見すえ、お金がかからない、廃棄物を出さない、すべてすぐ自然に還せるものによって、安心して心地よく過ごせる交流拠点です」。

「地球にやさしい暮らし、生き方につながるものであること、地域社会の未来を育んでいくことを願っています」。彼らの目は、未来にしっかりと向けられていました。

土ブロックづくりや小屋づくりをしたくなった読者の皆さん、木や土を存分に手にしてみたいと思った皆さん、次回のプロジェクトでお会いしましょう(下記ホームページにそのつど最新情報)。私も腹筋に背筋、腕力も鍛え、次の開催地に向かいます。

http://wakuworks.jp/

"Natural House Project" is a site specific art/design project by Tokyo-based British gardener and curator, David Pollard, and the architectural studio, WAKUWORKS. They always collaborate with local people to make their small houses or cabins using only natural or recycled materials gathered around each project venue such as soil, branched trees, flowers and so on.
This summer, they constructed a small house with people from Kunitachi city, Tokyo, the process began with the making of almost 1000 pieces of their solid bricks (see the 4th - 7th pictures above). Also, they are participating in "Hiji-sai" that is an earth art festival at Mashiko, Tochigi prefecture, the north west of Tokyo. A bench made from their bricks can be found during the Hiji-sai festival until 4 th of October. (see the 8th - 10th pictures above).
"Looking ahead 10 or even 100 years we need to make places to live which do not make so much waste made from materials which can return back to nature," they say. "This philosophy affects other things around us. This will be the future."
text by Noriko Kawakami

http://wakuworks.jp/

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