2010.08.24
ミュンヘンでアレッシィ展。
新作プロダクトにも注目を
ミュンヘンの国際デザインミュージアム(Die Neue Sammlung)でALESSI(アレッシィ)の展覧会が開かれています。タイトルは「オブジェクトとプロジェクトーーアレッシィ:イタリアン・デザインファクトリーの歴史と未来」。9月19日までの開催です。
展覧会の会場写真。Photos: Courtesy of Alessi
歴史的な品から来年発売に向けたプロトタイプまでが大集合。木製スタンドはフィリップ・スタルクが以前にデザインしたものを再度使用。他にもこれまでの展示で用いられたスタンドが再現されていたり、アレッシィをよく知る人には「ああこれ!」と嬉しい再会。
アレッシィ製品のデザインも多数手がけているイタリアデザインの巨匠、アレッサンドロ・メンディーニがキュレーションを手がけた展覧会。まずは創業1921年という由緒正しき企業、アレッシィの歴史が伝えられています。
デザインに興味をもったきっかけがアレッシィだったり、アレッシィの品々を愛用しているという読者も多いのでは?! 本展で10年ごとに示されているアレシィの特色は、「イタリアン・ベル・デザインの70年代」「ポストモダンの80年代」「遊び心の90年代」。
そして現在は、「折衷主義の2000年代」(なるほど!)。さらに新プロジェクトも紹介することで、同社の未来を示そうというもの。現在は開発途中ですが、「来年秋までには完成予定」の品々も会場には展示され、どこよりも早いお披露目です。

展覧会会場写真。じょうご「PINO」の顔がずらりと並んだメリーゴーランドも。
さて、それら会場の写真と同時に届いた情報が、アレッシィの新作について......。
巨匠メンディーニのデザインで1994年の発売以来ベストセラーとなっているワインオープナー、「Anna G.」の特別エディション、「Anna Etoile(アンナ・エトワール)」のニュースも含まれていました。
「Anna Etoile(アンナ・エトワール)」集合写真。
デザインは7種類。ダイヤをまとったもの(次の写真)は世界で9体のみという貴重なもの。その他6種類はそれぞれ99体の限定品で、同じくマスタージュエラーの手で仕上げられています。いずれも専用スタンドつき。もちろん、ワインオープナーとして使えます。
......と原稿を書いていたたった今、嬉しい速報が! 10月30日〜11月3日と開催される「DESIGNTIDE TOKYO 2010」の際、青山のアレッシィショップでこの「アンナ・エトワール」が紹介されるそう。そのきらめきを直に目にできることになりました。
「Anna Etoile(アンナ・エトワール)」ゴールド、ダイヤモンド、トパーズ、サンゴ。こちらのみ9体限定。高さ(全長!)34cm。
「Anna Etoile(アンナ・エトワール)」シルバー、ゴールド、メノウ装飾。高さ31.5cm。
「Anna Etoile(アンナ・エトワール)」シルバー、エナメル塗装。高さ31.5cm。
さて、「アンナ・エトワール」に華麗なる変身をとげてしまった「Anna G.」、実はモデルとなった人物がいるのです。メンディーニの親しい友人で、やはりデザイナー。
その人、アンナ・ジリがデザインした品々も、アレッシィ新作に含まれていました。フィギュア「Jungle(ジャングル)」で、キリンのザファ、象のファンタル、猿のゴリ。デザイナーのアンナ、「ノアの方舟」をモチーフに、3匹が登場するストーリーも考えています。
象、高さ12.5cm。カラフルなエポキシ樹脂仕上げのほかにステンレススチール製も。樹脂仕上げ5250円、スチール仕上げ6825円。こちらなら私もコレクションできます。
猿、高さ8.3cm。他にステンレススチール製も。
キリン、高さ20.8cm。他にステンレススチール製も。
他の最新製品には、シャープなステンレススチールのトレイやメッシュのステンレススチールのバスケットなども......。クールだったりダンディな品々と同時に、上の動物たちのようになんともキュートな品々を実現してしまうのが、アレッシィの魅力。
「私たちの本来的な役割とは、アートを生活にとりいれるための産業的な研究と実験をすることで、はじめて達成されると考えています。それがまさに今日、"デザイン"と呼ばれる領域のことなのです」。アレッシィを率いるアルベルト・アレッシィは言います。
金属加工に秀でたテーブル用品、家庭用品メーカーとしての歩みを大切に、時代の変化にも目を向け、エモーションを大切にすると同時にアカデミックな側面からも心に響くデザインを探り続けている。今後もやはり気になるイタリアン・デザインファクトリーです。
「Objects and Projects.
Alessi: History and Future of an Italian Design Factory」
9月19日まで
Die Neue Sammlung: The International Design Museum Munich
http://www.die-neue-Sammlung.de/
アレッシィ http://www.alessi.com
川上典李子
ジャーナリスト
Noriko Kawakami, journalist
デザイン誌『AXIS』編集部を経て、94年独立。ドムスデザインアカデミーリサーチセンターの日伊プロジェクトへの参加(1994-1996年)を始め、デザインリサーチにも関わる。現在は、「21_21 DESIGN SIGHT」のアソシエイトディレクターとしても活動。主な著書に『Realising Design』(TOTO出版)など。