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デザインとクラフトの未来は?横山いくこさんとトークをします

2011.10.19

デザインとクラフトの未来は?
横山いくこさんとトークをします

今月末から東京はデザインウィーク。そのひとつ「DESIGNTIDE TOKYO(デザインタイド トーキョー)2011」のプログラム「TIDE TABLE(タイドテーブル)」で、Figaro.jpのブログでもおなじみ、ストクホルム在住の横山いくこさんとトークを行うことになりました。10月30日です。

横山さんがプロジェクトマネージャーとして活躍するスウェーデン国立芸術工芸デザイン大学(コンストファック)のプロジェクトの話もうかがいたいし、CIBONE青山の「with a story」で展示される「Editions in Craft(EiC)」、エディションス・イン・クラフトについても改めてうかがいたい......。

E1 kawakami1019.JPG今年のミラノデザインウィーク(ミラノサローネ)での横山さん。EiCの展示の前で。Photos(ミラノでの展示会場): Noriko Kawakami

E2 kawakami1019.JPG 隣で展示していたナチョ・カーボネルと談笑中です。

EiCについて横山さんからじかに説明いただける機会、これはやはり貴重です。

横山さんとRenée Padt (レネー・パッド)がはじめたEiC。伝統的な手仕事とデザインを融合させながら、手仕事によるものづくりをいかに健全に未来につないでいけるのか、それを試みるプロジェクト。「健全」な成長を考える、という姿勢がポイント。

クラフトを巡る状況については、さまざま課題が世界的に横たわっています。手仕事とは歴史、文化、知恵が詰まった貴重な表現であるはずなのですが、各国の観光産業のもと、画一的な土産(みやげ)物の世界にとどまってしまっている現状がある。その土産物にしても、他国でまがい物がつくられ、より安いそちらが多く流通していたり。深刻なのです。

私たちがよく知るヨーロッパの伝統的な陶磁器に目を向ければ、人件費の安い国外に製作拠点が移りはじめていたり......。こうした時代のなかで、静かに始動したEiC。

規模は小さいかもしれませんが、深いところで伝統的なものづくり、クラフトの意味を問う地道な活動はじんわりと世界に広がっていくはず。そう私は信じ、注目しています。

4月にミラノで横山さんが語ってくれた言葉も印象的でした。「EiCはクラフト本来の価値を私たちの経験や表現に結びつけることが目的。クラフトをただ現代的なものにおきかえることでも、流通・消費しやすいものに調整していくプロジェクトでもないのです」

E3 kawakami1019.JPGミラノデザインウィークの際にEiCが展示されているロッサーナ・オルランディ。この写真に写る白コートの人物、オルランディ女史もEiCに一目おいています。

第一弾は、昨年春にミラノで初披露。伝統的なビーズ細工を手がける南アフリカ共和国、Siyazama(シアザマ)プロジェクトのおばさんたちと若手デザイナー、BCSXY(ビクシー)による第一弾の花器は、この「デザイン・ジャーナル」でもとりあげました。

今春披露された第二弾もシアザマとのプロジェクト。スウェーデン拠点のデザイナーチーム、FRONTとの協働による「The Story Vases(ザ・ストーリー・ベース)」。春に披露されるとすぐ、その社会的な面を含むプロジェクトの意義を感じとった新聞記者らによって、各国で紹介されています。

2年前、ストックホルムにあるFRONTのスタジオを訪ねた際、横山さんとFRONTのメンバーが構想を練っていた光景を思いだします。丹念な準備を経てワークショップを開催、遠く離れた2つの国のクラフトを融合させるかたちで、これらの花器は生まれました。

E追加1 kawakami.jpg

E追加2 kawakami.jpgPhotos: Editions in Craft

横山さんのブログでもそのプロセスが紹介されていましたが、シアザマプロジェクトのメンバーがFRONTの質問にこたえるかたちで、ひとりひとりのプライベートな物語を語っていく。それが英語に翻訳されて、ガラスの器に。

じつは、おばさんたちが暮らす南アフリカの農村部にはアパルトヘイト政策の影響がまだ残っています。自分自身の考えを語ったり、文字で綴ることなどしたことない女性たちの言葉が、英語で示され、世界の人々の目に触れるということ自体、画期的なこと......。

そして、こうやって誕生した花器の美しさと存在感。大切なストーリーが含まれていますが、たとえそのことを知らなくとも、「特別な何か」を感じさせる強さがある。

E4 kawakami1019.jpg『The Story Vases』。Photo: Anna Lönnerstam

シアザマプロジェクトのおばさんたちから、Beauty(ビューティ)、Thokozani(トコザニ)さん、Tholiwe(トリーウェ)さんの夢を、順に引用しておきましょう。

「若い頃、家を持つことを夢見ていました。よく家の絵を描いていていましたし、デコレーターになりたいと思っていました。今、私は自分の家を建てました。3人の子どもにビーズ細工を教え、そのことで彼らが収入を得ていることを幸せに思います」

「夢は結婚して4人の子どもを持ち、ベランダつきの美しい家に暮らすことでした。今の家は私が望んだほど美しくはありません。結婚はしましたが、願った通りではありません。夫は働かず、だから私はベランダつきの家を手に入れることができないのです」

「自分のためのショッピングは2007年が最後です。このとき買ったのは、スカートと赤い星がついたスニーカー(コンバース)。とても気に入っているの。私の夢は、飛行機で海外に行くこと。飛行機で空を飛んでいるとき、目を閉じてリラックスしたいわ」

E5 kawakami1019.JPGかなった夢。思い通りにならなかった夢。持ち続けている夢。制作に関わった各自の物語がビーズで綴られています。スウェーデンの職人による吹きガラスの存在感にも注目。それぞれかたちが微妙に異なり、それも魅力。

EiCでは現在、第3弾が進行中。スウェーデンの伝統的な手仕事を活かす内容で、この夏、スウェーデンのある田舎町にデザイナーが集合、ワークショップが行われています。

そんなお話も、ミラノデザインウィークや世界に先がけて、この秋、東京で!
他にも横山さんや私がいま考えていることを話しあえれば、と、楽しみにしています。


「DESIGNTIDE TOKYO 2011」
https://designtide.jp
横山さんとのトークは10月30日(日)、16:00〜17:00
会場:東京ミッドタウン・ホール(DESIGNTIDE TOKYOメイン会場)
トーク詳細は以下でご確認を。
「DESIGNTIDE TOKYO 2011/TIDE TABLE」

タイドエクステンション
CIBONE青山 「with a story」
10月29日〜11月3日
http://cibone.com/

Editions in Craft
http://www.editionsincraft.com/


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