2011.04.27
日本のためのイベント・展覧会。
ミラノ・デザインウィーク中にも
この「デザイン・ジャーナル」に3月、応援メッセージを寄せてくれたデザイナーたちにも再会することができました。それぞれに新作プロダクトの評判が最も気になる時期であるはずなのですが、そのなかでもやはり、日本のその後を気にかけてくれています。
そうしたミラノ滞在中、市内で開催されたチャリティ・イベントにも出かけてみました。3名のイタリア人建築家・デザイナー、Annna Barbara(アンナ・バルバラ)、Luca Moliani(ルカ・モリナーリ)、Giulio Iacchetti(ジュリオ・イアケッティ)が発起人となって水曜日の夜に開かれた「TOMODACHI」プロジェクト。
会場となったのは、1923年にスケートリンクとしてつくられ、現在はコンサートやイベント会場となっているPalazzo del Ghiaccio。Tシャツにもなっていたグラフィックは発起人のひとり、ジュリオ・ イアケッティのデザイン。Photo: Courtesy of Trinity
その会場でもお会いできたのが、20年以上ミラノを拠点に活躍しているプロダクトデザイナーの菰田(こもだ)和世さん。やはりミラノ在住のデザイナー、富田一彦さんやファッションデザイナーの林ヒロ子さん、またミラノ在住日本人ボランティアと一緒に、あるプロジェクトを企画していました。「Charity Box EMERGENCY PROJECT FOR JAPAN(以下Charity Box)」展(4月15日~17日)です。
『Charity Box』展エントランス。会場はSpazio Corso Como 9。前回とりあげた10 Corso Comoのほぼ向かいに位置するギャラリーです。Charity Box展主催は非営利団体 L'isola della Speranza。収益義援金はイタリアのINSIEME PER LA FRATERNITA' Onlusを通して宮城県、福島県に送金。Photos: Noriko Kawakami(会場写真)
デザインに興味があるひと、日本に関心のあるひと......熱心な来場者ばかり。

菰田さん作品『Per una parte della terra ferita(地球の傷ついた場所のために)』。起き上がりだるま式、揺れても立ちなおる地球儀上で日本が示されています。
深澤直人さんも参加しています。
ミラノ在住。世界的に活躍している伊藤 節さん、伊藤志信さんの『NINJA TEDDY BANK(忍者テディバンク)』。
「多くの方々が来場してくださり、巡回しないかという声もかけていただきました。義援金を日本に届けることが目的ですから、ミラノでの今回の展示後も、場所を変えてこれらのチャリティ・ボックス展が役に立つようでしたら、本当に嬉しく思います」
富田一彦さんの『CAPTAIN TSUNAMI』。旅行カバンが募金箱に。
左からIlaria Marelli(イラリア・マレッリ)『RESTI』、Alessandra Baldereschi(アレッサンドラ・バルデレスキ)『KOI-FISH』、Antonio Cos(アントニオ・コス)『TOURO』。
左手前: Marta Laudani(マルタ・ラウダニ)& Marco Romanelli(マルコ・ロマネッリ)『MR BUTTERFLY』Photos: Courtesy of Charity Box (作品写真)。
R. Blumer、M.Borghi、 A. Freire(リカルド・ブルメール、マッテオ・ボルギ、アドリアン・フレイレ)の作品は 落ちていくコインがクギにあたって楽しい音を。このような大型募金箱もさまざまに考えられていたのも特色です。
Lorenzo Damiani(ロレンツォ・ダミアーニ)『RED AND WHITE』。
Lucy Salamanca(ルーシー・サラマンカ)『PER TORNARE A GIOCARE』。
卓上にはとても納まらない大きな「ボックス」があれば、募金で重くなっても運びやすいように考えられたデザインも。寄付する人たちの心を描きだしたかのような詩心溢れる表現もありました。どこか温かなユーモアが加味されたものも。
川上典李子
ジャーナリスト
Noriko Kawakami, journalist
デザイン誌『AXIS』編集部を経て、94年独立。ドムスデザインアカデミーリサーチセンターの日伊プロジェクトへの参加(1994-1996年)を始め、デザインリサーチにも関わる。現在は、「21_21 DESIGN SIGHT」のアソシエイトディレクターとしても活動。主な著書に『Realising Design』(TOTO出版)など。