2009.05.27
カンヌ・レポート第14回
ミヒャエル・ハネケがパルム・ドールを受賞!
5月24日。12日目。
コンペ部門で上映された20作品すべてがリピート上映される。取材が重なって見逃していたギャスパー・ノエの『エンター・ザ・ヴォイド』を観にいく。今年のカンヌで最も物議を醸した作品の1本。悪評をさんざん聞いていたせいか、思ったよりもずっと面白く観た。東京が舞台だけれど、メイン・キャストはほとんど外人の無名俳優。
夕方から受賞セレモニー、続いて、審査委員の記者会見と受賞者の記者会見。
パルム・ドールはミヒャエル・ハネケの『ザ・ホワイト・リボン』、グランプリは、ジャック・オディアールの『ア・プロフェット』と下馬評で評判がよかった2作が上位を占める。ハネケは、2001年に『ピアニスト』でグランプリと女優賞(イザベル・ユペール)、男優賞(ブノワ・マジメル)の3賞を受賞しているが、今回が初のパルム・ドール。ユペールの"恩師"なだけに、パルム・ドールの有力候補といわれていたが、その通りの結果に。
受賞者記者会見に登場したミヒャエル・ハネケ
監督賞、脚本賞の受賞発表時には、ジャーナリストたちからブーイングが起こる。カンヌはいつもシビアです。
また、作品評などカンヌ・レポートはフィガロ本誌(7月20日発売号)に掲載予定です。
シャルロット・ゲンズブール&クリストフ・ワルツ
<第62回カンヌ国際映画祭受賞結果>
■コンペティション部門
●パルム・ドール(最高作品賞)
『ザ・ホワイト・リボン』ミヒャエル・ハネケ監督
●グランプリ
『ア・プロフェット』ジャック・オディアール監督
●監督賞
『KINATAY』(原題)ブリリャンテ・メンドゥーザ監督
●審査委員賞
『フィッシュ・タンク』アンドレア・アルノルド監督
『サースト』パク・チャヌク監督
●男優賞
クリストフ・ワルツ 『イングロリアス・バスターズ』クエンティン・タランティーノ監督
●女優賞
シャルロット・ゲンズブール 『アンチクライスト』ラース・フォン・トリアー監督
●脚本賞
メイ・ファン 『スプリング・フィーバー』ロウ・イエ監督
●カメラ・ドール(新人賞)
『サムソン・アンド・デリラ』ワーウィック・ソーントン監督(「ある視点」部門出品作)
●カメラ・ドール特別賞
『AJAMI』(原題)Scandar COPTI&Yaron SHANI監督
■短編部門
●パルム・ドール
『ARENA』(原題)Jojo SALAVIZA監督
●特別賞
『ザ・シックス・ダラー・フィフティ・マン』マーク・アルビストン&ルイス・スザーランド監督
■シネフォンダッシオン部門
一等賞
『BARA』(原題)Zuzana KIRCHNEDOVA-SPIDLOVA監督
二等賞
『グッドバイ』ソン・フォン監督
三等賞
『ディプロマ』Yaelle KAYAM監督
『ドント・ステップ・アウト・オブ・ザ・ハウス』JO Sung-hee監督
立田敦子
映画ジャーナリスト
大学時代から始めたライター&エディター業を開始、徐々に映画ジャーナリストの道へ。映画祭や海外出張などでインタビューする映画人は、年間200人ほど。フィガロジャポンやキネマ旬報等に映画評、コラム、インタビューなどを執筆。