2009.05.20
カンヌ・レポート第7回
不況のカンヌに雪のクリスマス・プレゼント。
5月18日。6日目。
ここ10年ほどは、ハリウッドメジャーが、大作のプロモーションを競って行っていたものだけれど、今年は、不景気のため驚くほど少ない。いや少ないどころか、本格的なプロモーションを行ったのは、ディズニーの年末の大作3-D映画『クリスマス・キャロル』のみ。オープニングの『カールじいさんの空飛ぶ家』に引き続き、今年のカンヌは、ディズニーが支えている?!
ということで、試写とインタビューの間を縫って、『クリスマス・キャロル』のイベントに行ってきました。
会場のカールトン・ホテルに近づくと、わンブロック前から警官がたち、入場制限がされていて、臨時に設置された柵の周りは、すごい人垣。脇道にある搬入口には、主演のジム・キャリーらを狙ったパパラッチと黒服のボディガードが臨戦態勢。何日も前から、カールトンのファッサードには、季節外れのクリスマスツリーが飾られ、雪化粧されていましたが、その雪がますます増えています。

大雪が舞う中、馬車でロバート・ゼメギス監督やジム・キャリーらが到着。思いがけない真夏のクリスマスに、クロワゼット通りを行くバカンス気分の人たちも歓声を上げていました。
左からロバート・ゼメキス、レスリー・ゼメキス、ジュニー・マッカーシー、ジム・キャリー
さて、肝心の作品の方ですが、わざわざ3-D用の上映設備を用意してのフッテージ上映を見る限り、3-D技術の進歩には圧倒されました。
文豪チャールズ・ディケンスの小説は、守銭奴のルクルージが亡霊に導かれ、過去、現在、未来と旅する物語ですが、"時間の旅"。
3-Dという表現手法は語るべき物語を選ぶと思いますが、この物語はまさにふさわしいのではないでしょうか。
7つのキャラクターを演じるジム・キャリーのパフォーマンスも過ごそうですが、個人的にはコリン・ファースの怪演が楽しみです。
左からスティーヴ・スキータープロデューサー、ジム・キャリー、ロバート・ゼメキス監督、コリン・ファース、ジャック・ラプキープロデューサー
コンペ作品は、英国の巨匠ケン・ローチの『ルッキング・フォー・エリック』とイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオの『VINCERE』。前者は、人気サッカー選手エリック・カントナが出演するコメディ。後者は、ムッソリーニの愛人だった母と息子の運命を描いた大作。2作品とも高い評価。
立田敦子
映画ジャーナリスト
大学時代から始めたライター&エディター業を開始、徐々に映画ジャーナリストの道へ。映画祭や海外出張などでインタビューする映画人は、年間200人ほど。フィガロジャポンやキネマ旬報等に映画評、コラム、インタビューなどを執筆。