2008.09.20
興奮の体験型エキシビション"PHYCHO BUILDINGS"
家族で、カップルで、わいわい友達と。老若男女、アート通のみならず様々な人達が、いつもの真面目なギャラリー訪問とは少し違った心持ちで、わくわくしながらやって来ます。週末は混み過ぎて楽しめないと聞いて、フリーランスで働く私はウィークデーに来場。大評判の体験型エキシビションは、ロンドンのヘイワードギャラリーで今年5月28日~8月25日まで開催された、 その名も" PHYCHO BUILDINGS"!

なんと言っても楽しかったのは、正面玄関からもばっちり見えていた、あのドーンと空に浮かぶ透明な球体 "Observatory, Air-Port-City" 。

中は二層になっていて、上の層、"Airport-City"はなんとも心地いぃ。巨大なバルーンの中に寝そべって、青空を眺めます。柔らかく不安定なビニールの上で不器用に、けれど好き勝手に動き回る体験は無重力空間とは行かないけれどちょっとした新感覚かも。下のObservatoryからは上層を観察する人がいて、2層セットでこれが空港。この特殊な仮設空間にいて、なるほど、人種と規則が混在する空港が特殊であると改めて気づきます。作家はTomas Saracenoというドイツ在住アルゼンチン人で、彼の科学的な作品はスケールが大きい!

そしてもう一つ、会場で長蛇の列を作っていたのが"Normally, Proceeding And Unrestricted With Without Title"。

二人ずつボートに乗るだけの作品なんだけれど、建物の2階に作られた人工池からロンドンアイを横目に漕ぐというのは結構ゴージャスな気分で、またこの廃材を再利用した不格好なボートとその乗り場がおかしくて良かった。待っている人達用のベンチも古家具の継ぎ接ぎで。Gelitin(ゼラチン)というオーストリア人集団の作品。彼らはいつも展覧会場に予想外、そして話題性ある作品を制作。これは要チェック!

Ernest Netoの作品は巨大な生物の体の中を歩くような体験。体内の突起物にはクローブやコショウなど香辛料が詰まっていて強い匂いを放っています。作者はカエルと呼んでいますが、この素敵な皮膚と骨を持つ生物は一体何者なんだろう。彼のオーガニックな彫刻はファッショナブルかつ官能的で美しくて気になります!

その他、日本からはAtlier Bow-Wowが参加。米国在住韓国人Do Ho Suhや、MiChael Beutler、Racheal Whiteread、の作品等は見応え充分で、世界各国からのアーティストチョイスが今っぽい。こうした新しい試みと工夫いっぱいギリギリの展示をスマートにこなした、とってもロンドンらしいエキシビションでした。
初回は興奮の体験型エキシビションをレポートしましたが、このブログでは展覧会やイベントのみならず、私の周りにいる才能溢れるアーティスト達を紹介したり、私の制作活動をちらりとお伝えしたり、活気あるロンドンのアートシーンを感じていただけるフレッシュなページを目指して頑張ります。最後になりましたが、figaro.jpスタートおめでとうございます!!
せきなつこ
イラストレーター
慶応義塾大学卒業後に渡英。2005年ブライトン大学イラスト科を修了。アンティークの本、雑誌、手紙、楽譜などの紙素材に、自らの写真、ドローイングをコラージュし、シティスケープを描く。最近はルイヴィトンジャパンのブック、松屋銀座のポスターのイラスト等を手がける。2008年4月にはギャラリーロケットにて初個展を開催。