TOPIC PATH
HOME
  >  COLUMN
  >  Music Sketch
  >  2009年の上半期ベスト・ライヴは《LOVE♥GUITAR》
2009年の上半期ベスト・ライヴは《LOVE♥GUITAR》

2009.07.03

2009年の上半期ベスト・ライヴは《LOVE♥GUITAR》

さて、早いもので今年も半分が過ぎてしまい、梅雨のジメジメした天気は続いていますが、暦は文月に突入です。夏が来る前に、2009年の上半期のベストライヴを振り返ってみたいと思います。洋楽・邦楽、ジャンルに限らず、誘っていただいて見に行ったもの、取材をしたので見せていただいたもの、チケットを購入して友人と見に行ったもの......、数多くありますが、ダントツなのはハナレグミこと永積崇さんのJ-WAVEのラジオ番組『OH! MY RADIO ~LOVE♥GUITAR~』から生まれた《J-WAVE Grow Green Live~LOVE♥GUITAR~》と題されたイベント。1月15日にSHIBUYA-AXで行われたのですが、とにかく圧巻のライヴでした。

ito_a.jpg手前が本来の客席で、ステージの奥にも客席を用意。右側にはソファーが置いてあり、演奏していない人たちがくつろぐ場所になっています。

まずは会場に入ってビックリ! なんとステージの奥の奥までお客さんが座っているのですから。そしてステージも永積さんの自宅を思わせるように、ギターが所狭しと並べられていて、プライヴェート・スタジオに遊びに行ったような雰囲気になっています。

ito_b.jpgおおはた雄一さんは、ギターを演奏しながら右にあるシンバルを叩くなど、いつになくアグレッシヴなプレイを展開。

この日の出演者は、永積さんの音楽に欠かせない原田郁子さん、おおはた雄一さん、そして素敵なブルースハープを聴かせてくれる曽我大穂さん。最初は全員で演奏し、それから順におおはたさんや郁子ちゃんが自分の持ち歌を弾き語りし、他の楽器の音色が必要な時はそれぞれに声を掛けて壇上に来てもらい、ゆったりと音楽が奏でられていきます。

出番でない人も、ステージ隅に置かれたソファにくつろぎながらマラカスを鳴らしたりして、全く縛られていない自由な雰囲気でコンサートは進みます。ふだんもこういったジャム・セッションに近い雰囲気の中で音楽が生まれているのかな、と想像できるくらい、和やかな音楽空間です。

ito_c.jpg原田郁子さんはギター型のバッグで、エア・ギターを披露。これもウケていました。

おおはた雄一さんはNYでジェシー・ハリスらと制作したアルバム『Music From The Magic Shop』を昨夏に発表。原田郁子さんは、"心の宇宙を描いた"と取材時に語っていた、インプロヴィゼイション色も含んだソロ・アルバム『銀河』を昨秋リリース。永積さんもレコード会社を移籍したばかりとあって勢いが感じられ、独創性に満ちた即興演奏も加わって、演奏が深くなればなるほど、見ている私たちも楽しくなるばかりです。

柔らかい音色だけではなく、幻想的だったり、哀愁が漂ったり、時にはシャープなサウンドで攻め込んだり、あらゆる記憶が呼び起こされそうなくらい感情の振り幅が大きく、また照明もサウンドに寄り添うように色合いを変えて、美妙な音空間が広がっていきます。各自が紡ぎだす音楽に溶けてしまいたいくらい、浮遊気分をたっぷり味わいました。

ito_d.jpgハナレグミの演奏中、他の3人はソファでくつろぎながら、マラカスやブルースハープで参加。

アンコールに入る前に、永積さんが、「えっ、もうこんな時間になっていたの?」と驚くほど夢の時間はあっという間に過ぎていきましたが、それでも未だ終わらず、「魚ごっこ」(ボ・ガンボス)、「歩いていこう」(JUN SKY WALKER(S))......と、観客と全員で大合唱。

22時には会場から退出するのが決まりらしいのに、永積さんはノリにノッてしまって止まらず、アンコールの3曲目として、ギターへの思いをたっぷりに「LOVE IS OVER」(欧陽菲菲)を、替え歌を含み大熱唱。延々と盛り上がったので、もう終わるかと思えば、そこから泣きのギター・ソロを弾きまくり、MCのうまさもあって笑いにも溢れた大熱演会となりました。まさに千両役者です。

音楽を生み出す瞬時の心の結晶、それを表現していく演奏の悦び、その楽曲を目の前で体感する充足感・・・・・・、今までにない型破りなコンサート・スタイルであり、先の展開が全く読めない期待感も伴って、まさにサプライズなライヴになりました。会場を出る誰もが心底笑顔だったのが、今でも忘れられません。
 

ito_e.jpgまるでお客さんも参加しているような、一体化型ライヴ。

意外性という意味では、1月21日@恵比寿リキッドルームで行われたショーン・レノンらが設立した"キメラ・ミュージック"のお披露目ライヴも、一種のコミュニティのような音楽空間を描いていて興味深かったです。このレーベルの所属アーティストは、ショーンに本田ゆかさん、ヴィンセント・ギャロ(この日は欠席)、それにショーン レノンとシャーロット・ミュールによるTHE GOASTT、シャーロットと彼女の幼なじみのEdenによるKemp and Eden、ゆかさんとペトラ・ヘイデンが中心となったIF BY YES、など。ステージにはコーネリアス・グループも加わり、それぞれの曲をやる毎に編成が少々変わっていくという流れで進みました。

ただ、そのアーティスティックな雰囲気も、終盤にギリギリ間に合った、同じく所属アーティストであるオノ・ヨーコさんの登場によって、一変! オバマ大統領就任記念コンサート(@ワシントンDC)に出演してからそのまま恵比寿の会場に駆けつけたというオノ・ヨーコさんは、いきなり黒のタンクトップ&ホットパンツで超迫力のパフォーマンスを展開。2曲目では白いスーツに着替えて現れ、しかも歌の途中で白ジャケットを客席に投げ入れるほどハイテンションで、ステージ上のミュージシャンまで見惚れてしまうほど超パワフルに動き回ります。お披露目ライヴの美味しいところをすべて持っていってしまったような、歌いっぷり(叫びっぷり)でした。

この他にも素晴らしかったコンサート、印象的だったライヴは数多いのですが、ショウアップされたものではNe-Yoと先日のレディー・ガガが記憶に新しいです。なかでも特筆すべきは安室奈美恵さんのライヴでしょうか。安室さんの魅力を書き出すと止まらなくなるので、これはまたの機会に。

LIVE PHOTO:三吉ツカサ
*to be continued

PREV  |  NEXT >
2009.07.03  |  CULTURE