2010.01.28
話題の女性ギタリスト、オリアンティ取材
マイケル・ジャクソンのツアー・リハの様子を収めた映画『This Is It』に登場し、マイケルの最期のツアー・ギタリストとして一躍時の人になってしまっているオリアンティ。その彼女に昨日取材してきました。オリアンティは、去年のグラミー賞ではキャリー・アンダーウッドと共演していたので、その時の記憶がある人もいるかもしれません。マイケル・ジャクソンもこの時の演奏を見て、オリアンティにスタッフを介して連絡を取ったそうです。
写真家・寺澤太郎氏のカメラ・レンズを見つめるオリアンティ。手前は寺澤氏の腕。
現在25歳の彼女、父親がギタリストだったことから早くからギターに興味を持っていたそう。11歳の時には地元オーストラリアの南端アデレードでサンタナのコンサートを観て、カルロス・サンタナのギタープレイに刺激を受けて、彼のライヴ・ヴィデオを繰り返し見ながら猛練習をスタート。オリアンティのスゴイのはここからで、卓越したテクニックを独学で習得し、15歳の時には何と!奇才ギタリスト、スティーヴ・ヴァイのコンサートのオープニング・アクトとして出演。18歳の時には、再び地元アデレードにやってきたサンタナに気に入られてステージに立つチャンスをもらい、ソロを含めて35分も演奏。こうした評判が広まり、その後はスティーヴ・ヴァイやZZ TOP, プリンスなどのツアーに抜擢され、ついにはマイケルから声が掛かったというわけです。今は、3年前からLAに住んでいます。
映画&DVD『This Is It』でのワン・シーン。今とずいぶん印象が違いますね。
オーストラリア育ちという気質もあるのかもしれませんが、実際に会ったオリアンティはおっとりしたマイペースな感じの女性。スタッフによると、時間が空くと、ふらりと外に1人で食事を買いに行ってしまうことがあるそうです。でも、インタヴューが始まると、早口でとてもよく喋るのでビックリ!! 20分間で30問ほど質問を訊くことができました。
カラフルでフワフワしたものが好きで、エクステンションもその日の気分で色を決めるそうです。
ギリシャ系の家系に生まれた彼女の本名はOrianthi Oanagaris。"オリアンティ"とはギリシャ語で花や鳥を意味するそうですが、本人も正式な意味はよくわかっていない様子。こういうゆるい感じもいいですね。セカンド・アルバム『BELIEVE』はマイケルのツアーに参加する前から3年かけて制作していて、マイケルの死後、彼に捧げる意味を込めて1曲「God Only Knows」を追加レコーディングしました。アルバム全体としてはギター・ソロの入ったスーパー・コマーシャルな作品にしたかったらしく、アップリンフティングなロック・ナンバーに加えて、ブルージィだったり、カントリー風だったり、ロック・ファンに喜ばれるようなさまざまなテイストを盛り込んでいます。
2作目『BELIEVE』。ギターテクはもちろん、甘さと強さが共存した歌声も魅力です。
ギターだけでなく、コクのあるパワフルなヴォーカルも魅力なのですが、「とにかくシンガーよりも、まずギタリストになりたかったの!」と、ギターにぞっこんの様子。「私はもともと飽きっぽくて集中力がないんだけど、ギターだけは全く飽きないから、ギターは私の人生の進むべき道だと思っているわ」と、熱く語っていました。またファッションでは、カラフルな服が好きで、髪もエクステンションを大胆につけています。特に70年代、80年代のファッションがとても好きだそう。「最近は保守的な人が多いでしょ。70'S、80'Sはとにかく何でもありの時代だったと思うから、そういうのが凄く好きなの」。当然、ロックもその当時のものが好き。「もちろん、そうよ。単刀直入にあの頃が一番クールだったと思う。特にギター・ソロがね(笑)」。
笑うと、10代の女の子のようにキュート。
昨日はお台場でDVD『This Is It』の発売を兼ねたイベントがあり、ハリウッドのマダム・タッソー・ミュージアムから借りてきた、世界に2つしかないマイケルの等身大の蝋人形を期間限定(2月7日まで)で設置。その横でオリアンティが1曲演奏する予定だったのですが、あまりにそのフィギュアがマイケルに似ていて直視できないから、と、かなり離れた場所で演奏したそうです。そんな話を事前にスタッフから聞いての取材だったので、マイケルに関する質問を向けて大丈夫か心配だったのですが、いろいろと答えてくれました。これについては3月5日発売号のFIGAROjaponのアクチュアリテの記事に書きますので、待っていてください。
お願いしたら、すぐにサインしてくれました。
「料理と散歩やエクササイズが大好き。でも一番一緒にいて楽しいのがギターと愛犬のポメラニアン」、と話すオリアンティ。早口で的確にテキパキと話すところは、マイケルの指示に対して俊敏に対応していた、まさにマイケルが選出した敏腕ミュージシャンという言葉にふさわしい姿でしたが、一方であどけない表情をふとした瞬間に見せていて、それがとても可愛かったです。特に、私も昔バンドをやっていたので、デフ・レパードなど、カヴァーした曲の話題ではとても盛り上がりました。日本で是非ライヴをやりたいと話していた彼女。今後の活躍が本当に楽しみです。
*to be continued
伊藤なつみ
音楽ジャーナリスト
フィガロジャポンではActualite のページをメインに原稿を執筆。マドンナ、デイヴィッド・ボウイ、U2、クインシー・ジョーンズ、ビョークをはじめ、洋楽邦楽問わず多数のアーティストに取材。
・ELLEgirlでの連載ブログはこちら
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