2009.06.01
Sounds Green Liveでくつろいで
夏に向けて人々の動きも暑さも加速していくこの季節に、息抜きになるような心地よいライヴに足を運んできました。J-WAVEの番組《BOOM TOWN》から誕生したオリジナルイベント"Sounds Green Live"で、ナチュラル&オーガニックなアーティストを集めて不定期に実施しているリスナー完全招待制のライヴです。5月25日に渋谷 duo music exchangeで行なわれました。私は、最近親しくしている星羅さんのスタッフから誘っていただいたのですが、大好きなおおはた雄一さん、今最も気になるアーティストの1人である大橋トリオさんも出演するので、どのパフォーマンスもとても楽しみにしていきました。
以前モデルをやっていたことも。今は「なっちゃん」のCMに登場して歌っている星羅
トップバッターは、先日20歳のバースデーを迎えたばかりの星羅さん。小学校の頃は地元の合唱団で歌唱力を磨く一方で、高校時代はミッシェル・ガン・エレファントやブランキー・ジェット・シティのコピー・バンドでギターを弾いていたという骨太の面もあり、歌唱力も演奏力もしっかりしています。今はアコースティック・ギターの弾き語りをメインに活動していますが、透明感溢れる歌声に鈴を転がすようなキュートさと芯の強さが同居していて、しかもポップななかにも陰影があり、1つの曲の中でいろいろな感情を表現しています。
横に置いてあるのはアンケート用紙を回収するためのお手製の茶筒。用紙もお手製で親しみがもてます
お母さんが大ファンであるという椎名林檎さんやフェアグラウンド・アトラクションを、小学生の頃から聴いて育ったという彼女。まだシングル『数字と恋』でメジャー・デビューしたばかりなので、今後どんな作品が生まれてくるか楽しみです。
柔和なヴォーカルが魅力のクリス智子と、ワイゼンボーンを演奏するおおはた雄一
2番手は番組内から生まれたユニットのおおはた雄一さん×クリス智子さんが登場。最近リリースしたハワイをテーマに制作したアルバム『lost&found』同様に、クリスさんの朗読やおおはたさんがハワイで蚊に刺されながら録音したというカエルの鳴き声も流しながら、ゆるりとした雰囲気の中で歌われていきます。ベン・ハーパーも愛用し、おおはたさんの楽器としてもおなじみのワイゼンボーンからは、まさにハワイの空気を感じさせるスティール・ギターの音色が響き渡り、また足元に小さなマイクを置いてリズムを拾っていくなど、絶妙に楽曲に深みを加えていきます。
ジェシー・ハリスやリチャード・ジュリアンからも高く絶賛されている音楽性やギター・プレイ
おおはた雄一さんというと、クラムボンの原田郁子さんや高田漣サンとの交流でも知られ、ブルース&フォーク系の音楽を得意とする印象があると思いますが、かつてスケーター時代にはアンスラックスやナパーム・デスといったハードコア系の音楽を聴いていた時期があったり、カヴァー・アルバムではニルヴァーナの曲を独自の解釈で歌ったり、最近はノラ・ジョーンズとの仕事で知られるジェシー・ハリスとレコーディングするなど、音楽性のとても幅広いミュージシャンです。6月にはギター1本持って、全国のカフェを周る"ぶらり渡り鳥ツアー2009"を行なっているので、地元に来ることがあれば、ぜひ皆さん足を運んで一緒に穏やかな時間を楽しんでください。
バック・ミュージシャンも全員帽子を被って登場。どこかしらユーモアを感じさせる面も
トリは大橋トリオ。トリオといっても、大橋好規さんのソロ・プロジェクト。この5月にメジャー・デビューしましたが、既に映画の主題歌やサウンドトラック、インストゥルメンタル作品など数多く発表していて、知る人ぞ知る存在になっていました。FIGARO編集部でもIさんは早くからお気に入りだった様子。ドラムス、ギター、ピアノなどを演奏するマルチ・ミュージシャンであり、アコースティック音楽の可能性を模索しつつ、ジャズ、ソウル、ポップス、ボサノヴァ、ロック、AORなどを流れるように気持ちよくミックスしている音楽で、私もインディーズ時代から愛聴してきました。
ちょっと立ち話をしただけでも、インタヴューしたくなるような個性の強さを感じさせた大橋トリオ
最新作『A BIRD』は完璧な仕上がりですが(本当に、心地よいアルバムです!)、バンドメンバーを加えての演奏ではダイナミックさが加わり、また違った味わいがありました。しかも動く大橋さんを見るのは初めてだし、ほぼCDジャケットと同じファッションだったので、不思議な気分で眺めながらハーモニー溢れる音楽を堪能しました。
左から大橋トリオ『A BIRD』、星羅『数字と恋』、おおはた雄一×クリス智子『lost&found』
いつもだったら、私は終演後は簡単に挨拶だけしてすぐ帰ってしまうのですが、この日は久しぶりに再会した知り合いも多く、そしておおはたさんと長話をしたり、大橋さんを紹介していただいたりして、すっかりその場に和んでしまい、一番最後まで残ってしまいました。打ち上げに、ステージ衣装を夏仕様の帽子と服に着替えてて大橋さんが現れたところ、誰もなかなか気づかなかったのが可笑しかったですね。
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エコロジーを意識してか、CD『lost&found』はプラスチック・ケースには入っていなくて、ビニール袋を開けるとアートワークや歌詞カードがそのまま1枚の大きな紙面になって広がります。表にはポエムや旅日記のようなものが歌詞と共に掲載され、裏は写真で、制作準備や曲作りのために訪れたハワイ島の様子が綴られています。音を聴き、眺めているだけで、ホッとできる作品です。
LIVE PHOTO:中川 司
*to be continued