2009.08.13
「おとなの浴衣」特集のお疲れ会がありました。
ご無沙汰してしまいました。実は、あの「大人の浴衣でお出かけしましょ」のフィガロが出来上がった頃、6月末ですが、お疲れ会がありました。竺仙の展示会で浴衣を選んだのは1月ですから、半年がかりの仕事が終わったことになります。
きものページもこれで6回やってきましたが、こういう会は初めてのこと。張り切ってきものを着たかったのですがそうはいきませんでした。「編集長の塚本もきものを着るようです」と編集のHさんに聞いたのは数日前? 前々回の、このコラムで単衣のきもののことを書いたばかりだったのに、あわただしく時が過ぎあっという間にその日が来てしまいました。
前の日に襦袢類の準備をする余裕もなく、その日はシャネルのメイクの発表やいくつかのブランドの下見に行き、家に戻ったのは7時過ぎ。ひたすら言い訳にしかなりませんが、着たいと思っていた藍染の単衣を着る時間はなく、それでも洋服だけはやめようと、6月でしたが、暑い日でしたので浴衣を着ていきました。
お隣の着付けの本多さんは唐桟(とうざん)の単衣に貝紫のエキスで染めたという八寸名古屋、半襟にはピンブローチというお洒落な装い。塚本さんは、奥州小紋をすっきりきれいに余裕の着こなし。Hさんは、撮影のあと会社で着替えられたという白の夏紬。浴衣で駆けつけた自分がほんとに恥ずかしくなりました。
それでもめげずに自慢をすると、この浴衣、籠染めという特殊な技法でつくられていて、表はめだかの柄ですが裏は金魚なのです。去年のお正月、竺仙の展示会で見て一目ぼれしてしまいました。その昔ながらの技術をうけつぐ人がいなくなり、今年で製造中止というのが、なんとも残念なのですが。

帯は、博多の半幅。気軽なお店ですが、一応食事どころですから、白い半襟はのぞかせて。せめてもの救いは、洋服でみえていた副編集長のUさんが、食事をしている私の手元を見て裏の柄がのぞくのをほめて?くださったことかもしれません。
というわけで、きものを着ましょうと人には勧めているのに、ちっとも実行できない自分がはずかしく、かなりおちこみました。で、また話だけになりそうなのですが、この夏、着たいと思っているきものを見てください。ずっと探していた洋服でいえば千鳥格子ふうの細かな縮。それも私好みのグリーンのものを古いきものをあつかう店でみつけたのです。

もちろん、仕立てあがりですが、着てみたらサイズもたっぷり、しつけもまだとっていない未着用のものだったのはラッキーでした。好みの色、柄、素材だったのであまり深く考えずに手にいれたのですが、家に帰ってみると、想っていた以上に手持ちの帯にすんなりあったので嬉しくなりました。

ピンクの麻の帯は前にもお見せした母が染めてくれたもの。この組み合わせは、この間の気軽なお食事会のような時にピッタリな気がします。もう一つの絽の刺繍の帯は20年くらい前に「池田」でもとめたもの。これだと、もうすこしあらたまった席、お芝居にもいいかもしれません。こうやって組み合わせを考えるのは、ほんとに楽しいのですが、実際に着ないことには、話になりません。今度こそ、の思いは強くなるばかりです。
原由美子
スタイリスト
日本のスタイリストの草分け的な一人。1970年雑誌「an an」創刊に参加。その後、スタイリストとして活動をはじめ、1990年からはフリーのファッションディレクターとして「フィガロジャポン」「婦人公論」「Hanako」など数々のファッションページや朝日新聞のコラムなどを手掛けてきた。著書に「原由美子のおしゃれ上手」など。