TOPIC PATH
HOME
  >  COLUMN
  >  きものの楽しみ
  >  "鯨岡阿見子が愛した沖縄の染織家たち"

2010.06.03

"鯨岡阿見子が愛した沖縄の染織家たち"

いよいよ六月になってしまいました。単衣の季節です。そういえば月刊になったフィガロ6月号から始まった連載「きもの暦」は見ていただいているでしょうか?

単衣のきものなんて私とは無関係と思われる方にも、ふと目をとめていただけるページになればと思いつつ、真剣にきものを探し、選んだつもりですが。
7月は絽、8月は麻と夏きものが続き9月は普段着として楽しい木綿のきものです。

木綿のきものといえば、まず思い出すのが久留米絣。
そして絣というと、私の場合は亡くなられた鯨岡阿美子さんのことを思いだします。
実は3月の末から4月にかけて、東京のシルクラブというところで「ぬぬぬ市 鯨岡阿見子が愛した沖縄の染織家たち」という会がありました。

鯨岡さんといえば、ファッションの世界の大先輩。
毎日新聞の記者から、草創期のテレビのプロデューサー兼ディレクターを務められ、
その間はずっときものを着て通された方でもあります。
その鯨岡さんが、愛し育てた染織家たちの作品が一堂に会したというわけでした。

もう亡くなられて22年もたちましたが、まだまだ作家たちにとっては忘れることのできない大切な存在なのです。
その時、鯨岡さんが遺されたきものも展示するということで、私が以前譲っていただいたきものもお貸ししました。

このブログの以前の回に私が着ていたのもそうです。
そしてお若かった頃の写真を今回初めて拝見し鯨岡さんのきものの好みや、着た時の雰囲気がはっきりとつかめた気がしました。

SL_02_4.jpg

なにしろ私が実際にお会いした頃はもう洋服ばかりでしたから。
これは、木綿の絣のようにも見えますが、はっきりしたことはわかりません。
パッキリした丸と四角が印象的です。

SL_01.jpg

夫でありエッセイストであった古婆蔵保好さんと一緒の写真で着ていらっしゃるのも絣。

P1010106.JPG

そのほかに特にお気に入りだったきものがこの黒白の大胆な柄のもの。

P1010083.JPG

帯は博多の献上をよくしめられたようで、白地に黒のシンプルな1本がありました。

P1010165.JPG

沖縄の紅型もお好きだったようです。
きものでは

SL_04.jpg

このブルーが一番心に残りました。
帯にも可愛いものがたくさん。

P1010144.JPG

P1010161.JPG

白地に藍もいろいろ。
実は私も大きい鶴亀の柄の木綿のきものをいただきました。
反物で残っていた浴衣らしき1枚。

P1010095.JPG

藍染木綿らしきものでは

P1010164.JPG

他にも、もちろん訪問着などのよそゆきもありましたがここでは、普段に自在にきものを着ていらした鯨岡さんを見習いたくて比較的カジュアルな、若い人にも身近に感じられそうな主に夏ものを選んだつもりです。
最後の1枚はやはり反物で残っていたいかにも沖縄らしいもの。

P1010094.JPG

これらをすぐ着ようとかいうのではなく、ひとりの人の感性で選ばれたきものや帯を見ることで、その人らしさを感じとる。そうすることでこれから自分がきものを着る時に、自分らしさを確立し選びとるそのヒントが見つかる気がするのです。

PREV  |  NEXT >
2010.06.03  |  FASHION
COLUMNIST

原由美子

スタイリスト

日本のスタイリストの草分け的な一人。1970年雑誌「an an」創刊に参加。その後、スタイリストとして活動をはじめ、1990年からはフリーのファッションディレクターとして「フィガロジャポン」「婦人公論」「Hanako」など数々のファッションページや朝日新聞のコラムなどを手掛けてきた。著書に「原由美子のおしゃれ上手」など。

BACK NUMBER
BACK NUMBER