2009.03.31
ランウェイ編1
前半のハイライトはランバン、
泣きたくなるくらい美しいショーでした。
編集長Tです。
遅ればせながら、つい先日終わったばかりの09-10年秋冬パリコレクションを
ダイジェスト版でレポートします。
最新ランウェイのトレンドはもちろん、私たちのコレクション取材の日々も合わせて
お届け。時間はたてど、興奮冷めやらないパリとファッションの1週間を
ぎゅっと凝縮してお見せします。
まずはランウェイから。3月4日から12日まで90以上のブランドが
秋冬コレクションを披露した、今回のパリコレ。
世界的な不況の真っ只中、ショーを取りやめたり規模を縮小したりというメゾンも
決して少なくなかったのですが、結果としては、本当に素晴らしいシーズンでした。
モノが売れない時代、市場を考えた売れる服を作らなければいけなかった
デザイナーたち。でも、それをふまえつつ美しいクリエイションを見せてくれた
メゾンがいっぱい。リアルだけど、veryエレガント。ファッションっていいなあと
あらためて感動!。やっぱりファッションには夢がなくちゃ、愛がなくちゃ。
本当は全部見せたいくらいですが、それはこのwebのコレクションレポートに
譲るとして、私の個人的フェイバリットをハイライトでどうぞ。
4日にパリ入りして、コレクション取材は5日から。いちばんに向かったのが
バレンシアガ。通常はショールームで行われることが多いショーが、今回はなんと
ホテル・クリオンが会場。往年のオートクチュールショーを思わせる優雅な
バンケットルームでのショーは、テーマも「Tres Couture,Sans Couture」。
クリストバル・バレンシアガのアーカイブからインスパイアされたドレープを駆使。
50〜60年代のクチュールを現代的に解釈したというドレスやブラウススーツは
このうえなくビューティフル。クチュール的でありながら、でもモダンというところがやっぱりニコラ・ゲスキエールのすごいところ。これぞ、フレンチシックです。
サテンのスカート部分のしっとりと流れるドレープが今回のコレクションの重要ファクター。クリストバル・バレンシアガの60年代のサリーコレクションがインスピレーション源。トップはガラスのビーズ刺繍を施したツイード。
ここ数シーズン変わらずスーパーエレガントなランウェイを見せてくれるディオール。
今回のテーマは「オリエンタリスト」。ムッシュ・ディオールの
クラシックな美しさとガリアーノの天才的パワーが融合した圧巻のコレクション。
バージャケットなどメゾンのアイコンにイカット柄やチャイナノット、
タッセルなどエキゾティックな香りをプラス。
ランウェイには、ムッシュの愛したスズランを象った黄金の屏風が飾られて。
シフォンのドレスにもオリエンタル風刺繍。ディテールまで超ラグジュアリ=です。
濡れたようなボルドーのリップにゴールドオレンジのチーク、とメークも印象的。
いつもは最終日のランバンが、パリコレのスケジュールが後ろ倒しになった今回は
なんと3日めの3月6日に。うれしいようなかなしいようなスケジュール。
というのも、今回も個人的ベスト・オブ・ベストは文句なしにランバンだったので。
本当に本当に泣いてしまいそうなくらい感動的なショーでした。
ドレスもスーツもコートも布の美しさだけで魅せるシンプルな仕上がり。
なのに、なんてキレイなんだろう。
バイヤス、ローエッジ、インサイドアウトなどのテクニックが随所に光る。
「こんな時代だから、女性が優しさに包み込まれるような服が作りたかった」と
語っていた、デザイナーのアルベール・エルバス。その言葉どおり、
見ているだけで心のなかまで幸せな気分に。もちろん、ラストは拍手の嵐でした。
ショーの最後にはモデルが揃って登場。フェザーの髪飾りをつけたヘアも可愛い。
アルベールいわく「女性がFeel GoodになるDay Wear」。
ルック1のアシンメトリーな黒のドレスもステキだし、ペプラムジャケットも
ファーストールも着たいものばかり。できることならコレクション全部買いたい。
ショー終了後、バックステージへ。モデルたちはみんなこの薔薇のアーチをくぐって登場。それもロマンティック。アルベール、夢のような贈り物をありがとう。
ショー4日めの7日は、ジュンヤワタナベ、タオ、コムデギャルソンの
3つのショーがあるギャルソンDay。ダウンをクチュールにまで昇華したジュンヤ、
「デコレーション・アクシデント」をテーマにエキセントリックな愛らしさに
あふれたショーを見せてくれたタオ、どちらも素晴らしいコレクションだったけど、
やはり圧巻はなんといってもコムデギャルソン。
生意気ながら、川久保さんのクリエイションの力に打ちのめされました。
スゴイとしかいえない。「ワンダーランド」がテーマというだけあって、
現実か非現実かという夢物語のようなコレクション。
ヌードベージュのチュールのドレスは消えそうでいて、でも力強い。
だまし絵のようなドレスやジャケットはユーモアもありながらストロング。
カーキやブランケット風素材のルックもインパクト大。
絶対にみなさんも見てください。
シュールな美しさをたたえた、ラストのヌードベージュのドレスたち。
ピンクのヘアに顔はチュールで覆って。その上にわざと位置をずらして、
スパンコールで刺繍された唇が。不思議なシュールレアリズムの作品のよう。