2008.10.07
ハッピーファッションバイイングA to Z
第1話:ALEXをマークせよ!
皆さん、はじめまして。
私はアクアガールのディレクターをしています笠原安代です。
今回スタートする「連載リレーコラム」のメンバーの
一人として参加させて頂くことになりました。
この機会を頂いてバイヤー暦10数年の私がファッションを通して
日々感じる様々なことを皆さんと共有共感できる場にできればと思っています。
「ファッションは人をハッピーにするもの」が私の信条。どうぞよろしく御願いします。
ストリートとモードを融合したようなスタイリングがここ最近注目を浴びていますよね。
とりわけ今秋はドレスを核としたフェミニンなスタイル一辺倒から
ジャケットやジレなどきりっとしたマスキュリンアイテムを
これまでのスタイリングに上手く取り入れて作るクラシックスタイルが新鮮に映ります。
こうしたムーブメントを牽引するデザイナーの一人、
ALEXANDER WANG氏はもうお馴染み。
彼の凄さは素材の料理の仕方とスタイリングの妙味にあると思います。
ショーではストリート色が強く映りますが、実際の作品は
非常に繊細な気遣いを感じる(女性を美しく見せたいという作り手の気持ちが伝わります)
素材やパターンが駆使されたお洋服です。
しかも元気をもらえそうなやんちゃさやユーモアセンスも感じる!
コレクションものには珍しいアップタウンとダウンタウンを
自由に行き来できるイメージをもつスタイルで、
まさにそれが今の女子の生き方や気分にぴったりなのでしょう。
イージー&クール。時代を象徴する弱冠24歳のデザイナーに今後の期待がかかります。
さて一方、今夏そんな時代の気分を
ヨーロッパ的アプローチで表現するデザイナーに遭遇しました。
彼の名はALEXIS MABILLE。
7月のオートクチュールコレクション時期に2009年春夏の
プレタポルテのコレクション(レディス&メンズ)を同時に発表したのですが、
このコレクションとの出会いは非常に印象深いものとなりました。
まずは訪ねたショールームの場所がユニーク。
なぜかオペラ座近くの日本食材屋さんやラーメン屋さんなどが建ち並ぶ
庶民的賑わいのある地区。
しかもファッションのショールームがあるというのは意外なビルの中。
階段を上りドアを開けると、綺麗なコレクションピースが所狭しと並べられていて、
間違いなくここはショールームとひと安心。
しかし一見どこからがレディスでどこからがメンズか境界が曖昧。
一方そこではデザイナー本人が朗らかに営業活動などもしていて、先客バイヤーの接客中。
その合間に私達に飲み物を運んでくれたりして、その気さくさに結構驚きを覚えました。
そんな環境の中で気になってしかたなかったのが、彼のデスク周り。
散らかっているように見えて、センスがある。この感じ、素敵じゃないですか?
作品にもこれに通じる空気感があって、気取りすぎない
肩の力のぬけたところに好感がもてました。
私が一番気に入ったのは色使い。
人の気持ちを朗らかにクリーンにしてくれそうなカラーパレット。
メンズとレディスを全く同じコンセプトで作るという手法は
お洋服だけでなくネクタイや小物まですべてに踏襲され、
これほどチャーミングなクロスセックスアイテムは他にお目にかかれないと思います。
笠原安代
アクアガール ディレクター
神戸大学教育学部(現・発達科学部)卒業後、大手百貨店入社。婦人服の販売職からスタートし、アシスタントバイヤーに。3年間のミラノ駐在所勤務を経て、ワールドへ。2000年9月よりアクアガール バイヤー。現在はディレクターという立場で商品買付けのみならず、商品開発、店舗デザインや販促・PRなど多岐にわたってブランドビジネス全般に深く関わる。