2009.02.25
ハッピーファッションバイイングA to Z
第5話:Enjoy the SN(L)OW-LIFE
ここは北緯66度33分以北の北極圏、ラップランド"Kittila"。
日照時間はせいぜい日に6時間程度だろうか。わずかに感じられる光の印象は水墨画風でもなく、オランダ絵画のそれとも質が違う。底抜けに明るい訳ではないのに、決して暗澹とした重さがない。透明感。これ以外に形容する言葉が思いつかない。
静かだ。空港のカフェでさえひそひそと囁くように話すのが習慣なのか、現地の言葉が耳に引っかからない。外に目をやるとただ白とブルー味を帯びたグレーだけで構成される景色が無限に広がる。が、平面的でつまらないものではない。
異なる質感で構成される無彩色の世界。決して固まらずさらさらとまるで砂漠の砂のように手からこぼれ落ちてしまう真っ白な雪。それらでどこまでも覆いつくされる大地。天に向かってそのか細い枝を広げる樹木。
そうした無音で無機質な空間をほのかに彩るのが人々の真っすぐな眼差しと素朴な笑顔、トナカイや犬など人と共に厳しい自然環境の中にゆったりと生きる動物達の姿。有機的なアクセント。
そして私のお気に入りは床や壁など室内にふんだんに施されるナチュラルな木の温もりと暖炉の赤い火、サウナの癒し。そしてお部屋で頂くフィンランドの老舗洋菓子店、"karl fazer(カール・ファッツェル)"のインスタント・ホットチョコレート。
宿泊したLEVI CENTER周辺の景色
雪化粧した樹木。作品のよう
トナカイのピッピちゃんとそりの準備をする民族衣装を纏った現地の女性
外から帰るとサウナで体を温める。この国では通常家に標準装備されているとか。宿泊先のSNOW WHITE HOTELで。滞在中はこのサウナに入り浸っていました
2009-10年秋冬バイイングの本格的開始前、自分で計画した次シーズン品揃えテーマを体感する為、1月最終週末3日間をフィンランドで過ごしました。
その後のパリやミラノでは水を得た魚のよう、ひたすらそのイメージを具現化するが如くバイイングに奔走しました。単純ですよね、我ながら。
でもある意味分かり易く象徴的、冬のお買い物を楽しんで頂ける内容の品揃えになったのではないかと楽観的に自画自賛しています。
では早速、そこで出会った素敵なもの達の一部をご紹介します!
テーマ1:WILD & TOUGH
(今回の品揃えのメインテーマかしら? ネイティブ感の残る贅沢品ではない必需系日常毛皮アイテムなど。厳しい環境を生き抜くワイルド感がポイント。小動物系でなく獰猛系アニマル柄なども今回ばかりはいつになく思いきって積極的に買い集めました。)
ventcouvetのフォックスファーをパッチワークしたロングジレ。秋冬のマストハブ
Stella McCartneyは直球でタイガープリントを提案。(毛皮はNGなブランドですものね)
Kamy Hatのエコロジカルファーの耳当て付き帽子
maison fabreの手の甲にワイルドなファーが付いたミトン
テーマ2:LET ME WARM
(例えばニットアイテム。手工芸的なもの。ふわふわした毛足のもの。北欧の伝統的衣装とコーディネートされていたレースアップ系ブーツや手袋やマフラーなど防寒雑貨もイメージ。)
Miki Mialyのチュニック丈ニットトップ。ふわふわ感が素敵
Yves Salomonのアームウォーマー
Alexis Mabilleの定番リボンバッグもミンクトリミングで暖かなムード
Yves Saint Laurentのこのマウンテンハイヒールシューズはイチオシ
テーマ3:GLAM ROCK
(ウィンターリゾートにつきもののナイトクラビング。朝が遅い分、夜はハメをはずしてキラキラ楽しむイメージ。スパンコールやラメ、チェーン使い等々。パンチの効いた華やかさがお約束。)
Nina Ricciのグラムロックテイストなドレス
Yves Saint Laurentの新しいスタッズびっしりの"EASY"は絶対に買い!
Alexis Mabilleのキラキラ素材ジャケット
Alessandro dell'acquaの2配色スパンコールサンダル
テーマ4:RIBON, RIBON, RIBON!!!
(永久に女子心をくすぐるモチーフをテーマに品揃え。たとえモードのメインストリームがマスキュリンでもその心は忘れません! アクアガールではマニア向け「おリボン星人」マストハブアイテムとしておススメなものばかり。でもご心配なく、勿論、モードです。)
Alexis Mabilleのおリボンバッグが胸にあしらわれたドレス
同じくAlexis Mabilleのスエードパンプスのキュートさに釘付けです
笠原安代
アクアガール ディレクター
神戸大学教育学部(現・発達科学部)卒業後、大手百貨店入社。婦人服の販売職からスタートし、アシスタントバイヤーに。3年間のミラノ駐在所勤務を経て、ワールドへ。2000年9月よりアクアガール バイヤー。現在はディレクターという立場で商品買付けのみならず、商品開発、店舗デザインや販促・PRなど多岐にわたってブランドビジネス全般に深く関わる。