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ハッピーファッションバイイングA to Z第8話:Hello, Holy Homeland

2009.06.29

ハッピーファッションバイイングA to Z
第8話:Hello, Holy Homeland

早いものですね、2009年も気づくと半分過ぎてしまいました。
そしていよいよ次年度(2010年)の本格的始まりを迎えようとしています。

バイヤーの活動サイクルを所謂お仕事年度のように捉えると、大雑把には日本のお役所を代表とする4月始まり3月終了というより海外の9月始まり8月終了というのに近い感じ。
もっと実務行動レベルで言うと、9-11月(春夏物買付け)と1-4月(秋冬物買付け)の大きく2回の買付けピーク時期を挟んで、6月から助走して新しい年度を徐々に開始し、5月に終了という感じでしょうか。ということで、ちょうどこの一~二ヵ月は年度の終了期であり、同時に次年度のスタート期に当たるわけです。

私事ですがこの一年を振り返ると、海外滞在日数が通算4ヵ月以上あったのではないかと思います。通例のバイイング活動する場所に加えて、南フランス&パリ郊外、香港&マカオ、インド、モロッコ、フィンランド等など、公私ともにご縁のあるチャンスを逃すまいとここ数年の中では飛び抜けて精力的にあちこちと駆け回った一年でした。
当然、人やコトとの出会いは質量とも想像を超えるほど。数えきれないドラマや感動がありました。感謝、感謝。まさに「動」「外」がテーマの2009年度でした。

一方これから始まる次年度(2010年度)、一転して「静」「内」を軸にまずはスタートしたいと思います。持っているものを棚卸し、整理し、腰を据えて、原点やアイデンティティ探しの旅に出るのです。次に大きく歩を進める前のスピリチュアル・インナートリップ。
華やかさには欠けるけど、この時代をよりよくクレバーに生き抜く為に。決してネガティブな事ではなく、この時期にこそ必要なことだと感じています。このリセットが次の10年への第一歩に相応しいと信じて!!!

そうそう、過日FIGARO japonでも「サンクチュアリへの旅、神社に行こう。」というタイトルで神社への旅の誘いを特集されていましたよね。まさになんだかそんな気分♪
そんなこんなで、ゴールデンウィークから6月にかけてホームランドである日本国内の神秘的で神聖な空気を堪能してきました。

その一、由布院「玉の湯」さんに連泊し、大分・国東半島の神社仏閣巡りをする

念願の玉の湯さんに宿泊することができて大満足。湯はよし、ご飯も美味しい。豊後牛のしゃぶしゃぶ、最高でした。九州は仕事で博多しか訪れたことがなかっただけになんだか遠くに来た感じ。
国東半島の神仏が混合して祀られる古い山々を歩くと、なんだか不思議な空気に包まれて、古代日本のスピリットに触れた感がしました。とりわけ熊野磨崖仏に驚き、富貴寺の神聖な空気に感動。

kasahara090629-1.jpg 玉の湯さんの自然感あふれるお庭。ここでのんびりと読書したり、湯上がりにボ~っとしたり

kasahara090629-2.jpg 夕食のお品書き。季節と地域色がモリモリ。日本人の季節感ってなんて情緒的で繊細!

kasahara090629-3.jpg お部屋にも付いている檜風呂。お庭に面していて、朝に夕にのんびり浸りきっていました

kasahara090629-4.jpg 深山に石階段が永遠に続くかのよう。天狗なんかいても不思議でないムード

kasahara090629-5.jpg 岩に彫られた磨崖仏。どうしてこんなところにあるんだろうって感じです

その二、奈良の女人高野・室生寺を訪問

海抜380メートルに位置する深山の中にあるお寺。古代からの神秘的信仰の場。太陽信仰としても名高いお寺とか。一方密教道場としても有名。実際ここの奥の院に行く階段は心臓破り。翌日はお約束の筋肉痛に見舞われました。

その三、長野県奥蓼科の御射鹿池で撮影

2009-10年秋冬のアクアガールのキーヴィジュアル撮影場所に御射鹿池が選ばれ、訪れることに。というのも今シーズンのテーマ、「FANTASTIC DREAM」を表現するのに最適な舞台というアドバイスがあったから。
お天気神社に祈願して頂いた御陰か、本番に強いメンバーの強運のせいか、梅雨の合間に奇跡的に訪れた凛とした日没。まさに東山魁夷氏のあの絵の世界が眼前に広がりました。青い馬がどこからか出てきても不思議でない程神秘的静寂さの中、映り込みのある池を背景に素晴らしいフォトシューティングができました。
今回のモデルはハンガリー人のKINGA RAIZAK氏。知的なクールさとセンシャルなムードを絶妙なバランスで持ち合わせるチャーミングな女性。秋冬の新しいアクアガール像に誘います。

kasahara090629-6.jpg 撮影前に一同仲良く名物そば処で腹ごしらえ。左からアートディレクターMAYUさん、フォトグラファーTISCHさん、モデルKINGAちゃん、プロデューサー浦野さん

kasahara090629-7.jpg 鏡のような水面には本当に驚き。かの有名な御射鹿池。今日の舞台。うぐいすの声がBGM

kasahara090629-8.jpg テントを張って臨時メイクルームの完成。最終スタイリングチェックもここで。今回のスタイリングの合言葉はずばり「ナルニア(王国)」!

kasahara090629-9.jpg 陽が陰りだしてさらにファンタスティックなムード満点! ここはどこ??ってムードが最高

kasahara090629-10.jpg 2カット目のスタイリングは小悪魔系森の妖精風

このような行動を通じて次年度に向けて何だか静かにもパワーチャージした気がしています。
まさに今、この仕事に携わっている者としてファッションに夢や希望を次世代に繋いでいく使命を感じ、その為の確固としたタフネスが必要と痛感します。ぐらぐらと足元が揺らがないように、原点に戻ってアイデンティティを確認する。例えばこうした神秘的な自然や魂に触れ合う禊的行為を通じて何か得られることも間違いなくありそうです。

気持ちあらたに新しい春夏へ出発!
さあさあ、お仕事、お仕事♪

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2009.06.29  |  FASHION
COLUMNIST

笠原安代

アクアガール ディレクター

神戸大学教育学部(現・発達科学部)卒業後、大手百貨店入社。婦人服の販売職からスタートし、アシスタントバイヤーに。3年間のミラノ駐在所勤務を経て、ワールドへ。2000年9月よりアクアガール バイヤー。現在はディレクターという立場で商品買付けのみならず、商品開発、店舗デザインや販促・PRなど多岐にわたってブランドビジネス全般に深く関わる。

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