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第十二話:「Lipstick must be changed, but...」

2010.03.23

第十二話:「Lipstick must be changed, but...」

あ〜、なんてチャーミングなんだろう!!

やや日の出の遅い3月上旬のパリの朝。レジデンス滞在中のお約束の一つは、さして理解できるわけでもないフランスの朝の情報番組を凝りもせず、つけっぱなしにしてその日の準備を始めること。

と、突然TVから聞こえてくるスイートな鼻歌♪準備の手が一瞬止まる。

一体何?この声の持ち主は誰?バスルームからTVの前に飛んでいく。そこに映るのは、ヴァネッサ・パラディ。シャネルの新しい口紅シリーズ、ROUGE COCOのキャンペーンのコマーシャルフィルムだ。そこに醸し出されるムードやシーンはかなり私の好みのツボ♥

そして、結果インプットされたのは赤いリップスティックを即買いに行かねば!ということ。さらには、秋冬にむけて今夏は徹底して美白!ということ。(赤いリップを清潔感あるように見せるのにはヴァネッサのような透明感あるベビー肌が必須。)そのCAMBON、 GABRIELLE等ネーミングにもシャネルらしさを感じることができ、色自体にも魅了される独自のリップスティックは、私の考える2010年秋冬のスタイリングイメージを大いに刺激した。

『白い肌に赤いリップが最も今っぽくクールに決まるスタイル!これこそ2010年秋冬のスタイリングの決め手になるのでは?目力から口力へ、メイクアップにおいてはかなりの方向転換よね。エレガントで古典的な方向へ回帰?いやいや、そんな重厚なスタイルは難しいし。いずれにしても、きっとメイクだけでなく着こなしそのものも、2010年秋冬、なんだか大きく動くはず!』
(私のCMをみている間の独り言)

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パリは東京より早く、3月上旬より販売。

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早速、買いました、ROUGE COCO! お気に入りは19番。毎日、うっとり眺めてます。

さてさて、今回のパリコレクションで最も気になったブランドのベスト3は、CELINE、STELLA McCARTNEY、SACAIだ。

では、どこが素敵と感じたのか具体的にお話を。

(1) CELINE

文句なしにフィービー・ファイロ氏のセリーヌを身に纏う事が、最も今の気分にぴったりだと感じた。それは1月のプレコレクションで既に感じていたこと。オリジンは英国的でメンズライク、トラディショナルなルーツをもつが、デザインをデフォルメしたり、削ぎ落としたりしてアレンジしてみせるアイテムが多い。シンプル&クリーンで隙や無駄がないミニマルなスタイルに一見映るが、よく見ると着こなしやディテールにちょっとしたはずしや遊びが隠されていて、それを着た女性には、そこはかとない女性らしさと温かみを感じる。前シーズンをさらに進化させて温かなモダニズムという新しい概念や女性像を示した。

例えばプレコレクションで気になったのは、

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正統派コートの下にざっくりタートル。裾からはボーイフレンド白シャツがちらりとのぞく。丈バランスに技あり。

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アクアガール的にはこんな着こなしもイチオシなレイヤードスタイル。シャツの裾からのぞくレザーフリンジ。実はベルトです。

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旬な丈感のブーツ。素材と色の組み合わせは大胆なのに、全体的にはクリーンな印象。

メインコレクションでは、

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プレ同様、ざっくりニットの下にはボーイフレンド白シャツがもはやお約束。ネイビーが新鮮。

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レザーパッチポケットディテールが気になる。コートでもジャンパードレスでも。

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アクアガール的にはこんなスタイルもオススメ。クレリックシャツにロングパンツの着こなし。

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今シーズンの'IT'バッグは「エンベロップ・シリーズ」に決定!これはアクアガールセレクト。

(2) STELLA McCARTNEY

セリーヌ同様、プレコレクションではどこかトラッドを感じるものに惹かれた。とりわけ新鮮だったのは外套着。伝統的かつ正統派素材を使ったもの。例えば、マントとギャザースカートのセットアップにはぐっときた。またゆるめのニュアンスニットが素敵なのは期待通り。丈が短めなものが新鮮だ。

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ベージュは是非トライしたいカラー。ここでもきりりと白シャツをあわせるのがお約束。

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ミドルフ丈や前見頃と後ろ見頃の丈が違うデザインが新鮮。進化系カーゴパンツも素敵。

そして、メインコレクションのオススメは何と言ってもショーのファーストルックで登場した外套(コート)。

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仕立てのよいクリーンなデザインコート類は新鮮。また、ニットで気に入ったのが毛足の長いニットドレスやボーダー柄。

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毛足の長いニットにモダンなポインティッド靴を合わせて、新鮮な甘辛バランスの完成。

(3) SACAI

パリで初のプレゼンテーション会で見た作品はどれも迫力と説得力満点。CELINEやSTELLA McCARTNEYなどでみられるミニマリズムとは一線を画す、フォークロアやミリタリーなどの要素をてんこもりしたような濃いムードも見逃せない。革新的ほっこり系ニットに脱帽。

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プレゼンテーションの中でも最も気に入ったシリーズ。ナバホ柄とフェアアイル柄をさりげに一つにつないでいる感じってとっても素敵。


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進化系ダッフルコートもアクアガールとしておすすめのひとつ。


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迫力のプレゼンテーション風景。


以上こうやって見てみると、2010年秋冬に気になるスタイルやアイテムはすべて、「白い肌に赤いリップが最も今っぽくクールに決まる」って感じではありませんか?

やっぱり今年はバカンス地でも大好きな太陽には背をむけて、どんな時にも美白がマストとなりそう。あ〜、手強いぞ、赤いROUGE!

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2010.03.23  |  FASHION
COLUMNIST

笠原安代

アクアガール ディレクター

神戸大学教育学部(現・発達科学部)卒業後、大手百貨店入社。婦人服の販売職からスタートし、アシスタントバイヤーに。3年間のミラノ駐在所勤務を経て、ワールドへ。2000年9月よりアクアガール バイヤー。現在はディレクターという立場で商品買付けのみならず、商品開発、店舗デザインや販促・PRなど多岐にわたってブランドビジネス全般に深く関わる。

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