2009.10.20
友達のうちのごはん その5
陶芸作家のUlrikeの家にお邪魔しました。
バスチーユの彼女のアトリエ近く、下町風情で感じの良いアパートです。
誰かの家に招かれると、とりあえずサロンでアペリティフ。好きなものを飲みながら、つまみ、ゆっくりおしゃべり。8時スタートといっても、絶対に誰かが遅れて来るので、(こういうフランス時間が大好き)食事が始まるのは、だいたい9時半頃からです。
今夜もシャンパーニュ!と、気分が弾む
つまみは、黒いドイツパンの上に、ニシンの燻製、クリーム、チーズを加えてペーストにしたもの
どうして、伊首相って変なの?・・・そういえば、日本のファーストレディーも、風変わり!と、他愛もないおしゃべりで盛り上がる
「A table!」(ごはんですよ~)の声で、テーブルに。
今夜のシェフは、Ulrike とSilvano
最初は、"シャンパーニュとサフラン風味のリゾット"
Silvanoの出身地、北イタリアではパスタよりもお米を食べることの方が多いとか。イタリア米に、ブイヨン、クリーム、パルメザンを少しずつ加えて根気良く混ぜながら煮ていく、仕上げにシャンパーニュとサフランを振り入れて、お塩で味を加減して出来上がり。
シンプルながら、風味豊かでおいしいリゾット
両側は、うんうんと頷きながら食べてます。
2皿目は、オーストリアやドイツの郷土料理"Tafelspitz"というポトフ。
北イタリアでも19世紀初めから、食べられているそう。
軟らかく煮込んだ牛肉とRaifortという西洋わさびをソースに入れたり、下ろしたものを添える。それに、"Mostarda"というマスタード味の果物のコンフィーを付け合せにしていただく。
甘いのにちょっぴり辛いものと肉料理・・・なんとも不思議・未体験な味。
突然、Ulrikeが「デザートの前に、ひとりずつ何か歌うこと!じゃないと、デザートは出てこないわよ!」と、わ~小学生みたいでおもしろい・・・と思いつつ、一番唄いたかったのは、彼女なんだな。
私が一番手のご指名を受けたので仕方ない、酔った勢いで"ゴンドラの唄"を歌う「命短し、恋せよ乙女~~」この頃の詩って、なんて格調高いのでしょう。
この曲が歌われた黒澤映画の「生きる」の話をし、ロレンツォ・ディ・メディチの"バッカスの詩"が原作と言うと、Silvanoが「ああ、それはね・・・」と言いながら、朗々と魅力的なイタリア語で、詩を詠ってくれた。
日本、フランス、ドイツ、イタリアと・・・それぞれが楽しく歌い終わって、やっとデザートにありつける。
"Raine claude (青いプラム)のコンポート、カスタードソース"優しい、ホッとする味。
食後酒は、ドイツ産のリースリングのヴァンダンジュ・タルディフ(遅摘みのぶどうで甘みが強い)。年々、入手が難しくなってきている当たり年、2003年産の芳醇な味を楽しみました。
最後は、彼女の自作の椀に入ったハーブティーと友人作の器に入ったイタリア菓子
彼女の家には自身の作品をはじめ、Expoやサロンに出展する度に、出会ったアーティストから買った素敵なものがいっぱい。
お気に入りに囲まれて、美しく整った暮らしの様子は、彼女そのものです。
(左)ulrikeの作品(右)友人デザイナー作の鏡
(左)ドイツのお母さまが送ってきたという、かつての王室御用達ブランドの食器は50年代のもの(右)にんにくの茎も彼女の目には、面白いオブジェ
今夜もローマ人の如く飲んで食べて大笑い、ごちそうさまでした!
とってもセンスの良い彼女の作品、陶芸教室の案内は、こちら・・・
www.ulrike-weiss.com
HARADA SACHIYO
料理クリエーター
自身のブランド「hoa*hoa」をはじめ、長い間、モードの仕事に携わる。2003年渡仏、料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。ホテル・ムーリス、京料理店、寿司店での研修を経て、2006年より、日本料理教室、出張料理、レストランのコンサルタントなどの活動を展開。現在、料理本の出版準備中。パリ発のWEBマガジンchocolatmag内に「こども厨房へようこそ」連載中