2009.11.12
友達のうちのごはん その6
「ここでは、自分の家のようなつもりで、自由に好きなものを食べたいだけ食べてね!
これが、モロッコスタイルのおもてなしなのよ」。
今夜は、ムフタール街近くに住む、モロッコ人のRitaのお宅へ。
8時半頃から徐々に人が揃う間に、サロンでのんびりアペリティフを楽しむ。
この夏、初めて日本各地を旅したRita が「日本では、畳の上に低いテーブルを置いて、正座するでしょう。モロッコでは、こうやって座るのよ。」と、見せてくれた。
"モロッコ座り"を実演するRita と Julie
家族の食事は、こういうスタイルで、たくさんの料理を山盛りにして、手で食べるそう。
「モロッコでは、夜11時前にディナーが始まる事は、滅多にないのよ。」とRita。
確かに、マラケシュに行った時は、"宵っ張り文化"でした。
10時半ころから、ゆっくりと食事が始まる。
前菜には、3種類の野菜料理
トマトとピーマンの煮込み(アラブ語では、Tchouktchouka)

茄子のキャビア(Zaalouk)

ひよこ豆のサラダ(Foul)
味付けの基本は、にんにく、オリーブ・オイル、塩、コショウ、クミン。トマト煮込みにはパプリカ、茄子のキャビアには、酢とトマトペースト、豆のサラダにはコリアンダーとレモンの塩漬けがそれぞれ効いている。パンに付けていただくと、止まらない・たまらない美味しさ!赤ワインも進む進む・・・
メインは、羊肉にレンズ豆とアーティチョークのタジン
肉のブイヨンが、豆によくしみ込んでほっこり。
やっぱり、アラブ料理は、どこに行っても家庭の味が一番美味しいとつくづく思う。
レストランとは全く違う、あっさりした優しい味わい、母の味。
食後のデザートは、りんごのケーキ、タルト・タタン。
そして、やはり欠かせないのは、ミント・ティー。
「お茶は、必ずその家の家長、一番年長の男性がサービスするものなんだよ。」と言いながら、ミント・ティーを注いでくれるNizar 。
さすが、慣れた手つきで画になります
この日の亭主、モロッコの首都・ラバトのブルジョワ娘は、お育ちよろしく寛大で優しい。この日集まったRitaの友達は、お医者さま、セラピスト、アーティスト、哲学者・・・と多彩で多才。
それぞれが個性的で魅力的な人ばかり、そして皆に共通しているのは、"食べる事が大好き"。
美味しい食事とお茶で、すっかり和んで、おしゃべりにも花が咲き、家に戻ったのは、朝の3時頃。この晩は、Toussaint(ハロウィン)のお祭りで、パリの街は仮装した人で賑わっていたので、毎晩、お祭り騒ぎだったマラケシュ・ジャメルフナ広場の喧騒を思い出しながら、家路に着きました。
今夜もごちそうさま!
HARADA SACHIYO
料理クリエーター
自身のブランド「hoa*hoa」をはじめ、長い間、モードの仕事に携わる。2003年渡仏、料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。ホテル・ムーリス、京料理店、寿司店での研修を経て、2006年より、日本料理教室、出張料理、レストランのコンサルタントなどの活動を展開。現在、料理本の出版準備中。パリ発のWEBマガジンchocolatmag内に「こども厨房へようこそ」連載中