2010.01.28
葉山の暮らし
日本に帰国する際には、葉山のセカンドハウスと北海道のちちははの家に滞在します。
葉山の家の楽しみは、朝に夕に毎日なんども拝んでは元気を貰う富士山と、冬でも陽が差すとポカポカ、海を望む小さな庭。
ここに住み始めた頃、夕日を見に行くと、音ひとつ無い夕凪、空と海がひとつになって・・・全体がシャンパンのロゼ色、その中に雪をまとった真っ白な富士山がぽっかりと浮かび・・・"おお!"と低く唸って立ち尽くす。
二つとない山"不二"とするほうが相応しいように思う。
太陽が海に落ちると、次第に不二の山肌が露わになって、突然"カッ"と目を見開いたように真っ赤に染まる。北斎の"赤富士"は、デフォルメなんかじゃなくて、実際にその目で見たのだわ!と確信する。
とっぷり暮れてからは、ブルーグレーの空に墨黒の力強い稜線、"黒富士"の怖いような美しさに、ぐっとくる。
Created with Admarket's flickrSLiDR.
ここは築80年という古い家ながら、亡き大家さんのご主人が大変趣味の良い方、普請好きだったそうで、大工を呼んで常に手を入れてこられたという。大正・昭和の香りのする和のしつらえがとっても気に入っています。
大家さんや近隣の方々も、明るく気さくで親切な人ばかり、東京では皆無だったご近所付き合いも楽しんでいます。
(左)玄関の床(右)初めて訪ねた時、子供の頃に住んでいた家のドアノブと同じ!
ひと目でこの家が気に入った
(左)この家の守り神は、10年前に行ったアリゾナ・セドナで出会ったホピ族のカッチーナ人形(右)床の間には、好きなものをころころと
庭には、みょうが、しそ、山椒、タイム、フェンネル、ミント・・・ルッコラは次々に種が落ちるので、温暖な気候の中、一年中勝手に自生しています。
(左)すっかり野生化している逞しいルッコラ(右)ローズマリーの花が年中咲いています
(左)我、園芸クラブの友、お手植えの姫ゆず(右)ぬくぬくと自家製ゆず茶をいただく
天気が良ければ、冬でも庭か海辺で食事をするのが楽しみ、潮風と波の音が心地いい。
いつも、庭や地元で採れるものをシンプルに食べるのが好き。友達が来ると庭のテーブルで、ごはんを作るのも手伝ってもらう、簡単なものが妙に「うまい!」と感じる・・・「ここで食べると、ゆで卵もごちそうだね!」と嬉しく話す。
(左)楽しくなっちゃう!(右)庭のルッコラ、父作のヤーコン、家の前の海で獲れた釜揚げしらすのサラダに柚子を搾って。これも、父作のじゃがいもと豆乳で、ゆず風味のポタージュ
(左)大掃除に駆けつけてくれた友達と庭でランチ(右)友が買ってきてくれた、葉山名物"わかなパン"女性が朝3時からひとりで作っているという天然酵母のパン、ありがたく頂きました。いちじくパンが美味しい
日常のこまごま、些細なことを大切に、ささやかな幸せを見出して味わう・・・今年ものろのろ、楽しく在りたいと願っています。どうぞ、よろしくお願いします。
HARADA SACHIYO
料理クリエーター
自身のブランド「hoa*hoa」をはじめ、長い間、モードの仕事に携わる。2003年渡仏、料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。ホテル・ムーリス、京料理店、寿司店での研修を経て、2006年より、日本料理教室、出張料理、レストランのコンサルタントなどの活動を展開。現在、料理本の出版準備中。パリ発のWEBマガジンchocolatmag内に「こども厨房へようこそ」連載中