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パリの住まい それから・・・

2010.05.21

パリの住まい それから・・・

2軒目の仮の宿で知り合って以来、仲良くしている友Danielから電話で、
「家のGlycine(藤)の花が咲いたよ、見にいらっしゃい!」
と言うので出かけてみると・・・なんとも見事な藤が!

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3月には寒空の中、悲しげに見えたアパートに一気に春が来た!!

この日は、初夏を思わせる風に乗って、通りの玄関を開けた途端に甘い藤の花の香りが・・・そして、暫し見とれる。

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Danielは、このアパートの庭の主。桜、バラ、牡丹・・・四季折々の花を楽しめるように草木を植えて、小まめに世話をしている。

パリの中心で、こんな庭を持つというのは、実に贅沢なこと。
離れてからも、たまに訪ねて花を見るのが安らぎの時。

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3軒目の宿
で知り合ったアーティストValérieとは、すっかり仲良しになり、Expoやダンスの公演にお供させて貰っている。好奇心いっぱいで感受性豊かな人と過ごすひと時は、とっても楽しいもの。

家の騒動では、沢山のものを頂いた。不思議な巡り合わせや人との出会い、色々な発見・・・時には、運命を感じたり、"大いなるもの"に動かされている様な気がしたり。

この三ヵ月、本当に多くの人に助けて貰った事を、多分一生忘れないと思う。

元建築家の友は、家主、不動産会社宛ての手紙を一緒に書いてくれた上に、法律相談所、裁判所、警察、衛生局、住宅相談所・・・ありとあらゆる処に付き添って手助けしてくれる、そして事有るごとに私の駆け込み寺となってくれた。フランス人でさえ、うんざりする様な厄介事を引き受けるのは、相当勇気の要ること。

聡明で心優しいこの友から「人生をあまりドラマチックにしないでね」と言われて・・・
これも経験として受け止めようと思うとすっと胸が楽になった。

この間、よく言っていたのは"La vie est belle'' (人生は美しい)。

「ブッダは、死の前、苦悶の最中に"それでも、この世は甘美であるLa vie est douce ''と言ったのよ」と話すと「キリストにも同じような話があるわ」と・・・辛さが分かち合うことで、半分になっていく。言葉って大事。

他にも、色々なアイディアやパリ市・全区の法律相談窓口、SOS弁護士会の電話番号を調べ上げて、驚く様な長い携帯メールをくれた友。

この友人達の英知と落ち着きにどれほど救われたことか。

優しい心遣いで食事に呼んでくれたり、自宅を宿として提供したくれた数々の友達。

本当に、どうしてこれほど人の為に尽くす事ができるのか・・・このフランス人の義侠心、困っている人を見捨てない心根。その都度、静かに感動していました。

不安、強いストレスに晒されている時に、随分前に友から貰った言葉を思い出した。
"Confiance et sérénité'' (信頼と平静)、これがあれば何でもできるから大丈夫よ!と・・・大きな人です。

4度の引越しに、「当然よ!」と言いながら、必ず付き合ってくれた親切な友達は、毎度、面白がって出発前にビデオを撮る。ため息が出る様なくたびれる作業も、お陰で良い思い出に。こうやって日々を楽しむのもフランス人ならではの、生きるヒントです。

短い間に、フランス人の深い思いやりや温かさを知り、また個人主義の冷たさも知った。人との距離がより近くなったり遠くなったり、人はそれぞれ。

大変な思いをしても、"やっぱり、フランスっていいな"と思っている。

たくさんの事に、心から感謝します。

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2010.05.21  |  GOURMET
COLUMNIST

HARADA SACHIYO

料理クリエーター

自身のブランド「hoa*hoa」をはじめ、長い間、モードの仕事に携わる。2003年渡仏、料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。ホテル・ムーリス、京料理店、寿司店での研修を経て、2006年より、日本料理教室、出張料理、レストランのコンサルタントなどの活動を展開。現在、料理本の出版準備中。パリ発のWEBマガジンchocolatmag内に「こども厨房へようこそ」連載中

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