2008.10.07
軽井沢の食べ歩き Part II
万平ホテルにて2日目の朝を迎える。朝食はダイニングにて。木造のシックで格式のある店内の趣は、クラシックホテルならでは。ことに朝ごはんは、緑の庭を眺むテラスが特等席だ。高原の朝、満喫!である。清々しさを一層もりあげるブレックファーストメニューは、ジュース、玉子料理、ハムかソーセージ又はベーコンにトースト。そしてコーヒーか紅茶...とまぁ、内容的には都内のホテルと大差ない。
でも、ジュースメニューの中に、信州りんごジュースやももジュースがさりげなく置かれていたり、卓上にはブルーベリーやグズベリーといったベリー系のジャムがボトルごと置かれているのが、いかにも軽井沢らしい。
なのに、私はといえば、ワンパターンのトマトジュースである(近頃、プライベートではかなり保守的になっております)。で、さすが!! と思ったのはゆで卵。「お好みのゆで加減は?」この、老給仕人のサラリとした問いかけがいかにも堂に入っている。長い年月、外国人客を相手にしてきた万平ホテルなればこその伝統をそこはかとなく感じさせる。そして「黄味の回りはやや固まっていて、中心はとろんとしたぐらいの半熟卵」なんていうリクエストにも、見事応えてくれるそのお手並みや、あっぱれ! 老舗の底力といったところか。おなかもいっぱいになったところで、今日は滝巡りである。
白糸の滝
竜返しの滝、白糸の滝をまわって昼餉は「酢重正之の店」にて鯖味噌煮定食。確か新丸ビルにもあった店だよなぁと思いつつ、"釜炊きごはん"のフレーズにつられて店内へ。残念ながらごはんは期待していたほどではなかったけれど、お味噌汁は野菜たっぷりで風味もよく、ホッと寛ぐおいしさ。それも本来が味噌・醤油の店とあらば、納得である。
旧軽井沢を散策した後、一旦ホテルに引きあげ、夜は母親のリクエストにより「東間」へ(民家を改装したような一軒家の静かな蕎麦屋だ)。蕎麦懐石がお目当てである。蕎麦みそ焼や茶巾絞りのそばがき、千曲川の鮎(だと思う...たぶん)の塩焼等が出て〆めはもちろん、手打そば。そばもさることながら、コースの途中で登場した"とうもろこしの飯蒸し"が印象深い味でした。
あっというまに二泊三日の旅も最終日。「割烹熊魚菴」で朝粥を食べて出発。万平ホテルはホテルマンのサービスがとてもフレンドリーで気持ちよく、何より若いスタッフ(特に斎藤さん! お世話になりました)の笑顔が清々しい。年配の方の対応もホテルというよりは古式ゆかしい旅館の番頭さんという体で、心が和んだ。今時の外資系ホテルもいいけれど、やっぱりこうした小ぢんまりとしたクラシックホテルが好きだなぁ...。
軽井沢での最後の食事は「煙事」にて仙台牛のカレー。名前の如く燻製がウリ。それゆえ、卓上には燻製にした白ゴマやら醤油が並んでいる。ウェイター氏の「この(燻製にした)白ゴマと醤油で、卵かけごはんにすると旨いんですよ」のひと言に負けて、購入。感想は、また後日お知らせしますね。ちなみに個人的には、井上古式醤油が卵かけごはんにはピッタリ!と思っております。
長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢6-1
☏0267-41-2007
営業時間/11:00~22:00(LO21:00)季節により変動あり
http://www.suju-masayuki.com/
長野県北佐久郡軽井沢町長倉8-123
☏0267-42-6675
森脇慶子
フードジャーナリスト
「dancyu」をはじめ、数々の雑誌やメディアのグルメシーンで活躍する、フードライターの草分け的存在。取材はもちろん、プライベートでもひたすら食べ歩きに邁進。その小柄な体からは想像できないほど強靭な胃袋の持ち主。「東京最高のレストラン」の採点者を務めるなど、その舌に絶大な支持を集める。