2009.04.15
「霞町すゑとみ」でスッポン丸ごと食べ尽くしコースを!
今夜は、久々に「霞町すゑとみ」で晩御飯。それも、総勢なんと6人。10席程しかないカウンターの半分以上を占領してしまったわけだが、これには、少々理由(ワケ)がある。
本日の狙いが"スッポン"だからだ。
最近、末冨さんは、どうやらスッポンに入れこんでいるらしい。先日、D誌の打ちあげの際に予約した折も、キッパリと「スッポンは、食べた方がいいですよ」。その力のこもった一言に、そこまで言うなら・・・とスッポンコースを試してみたところ、これが大当たり♡
早速、あの感動をもう一度とばかりに、シーズンが終わる直前に再訪した次第である。
さて、そのスッポンコースだが、最初に付き出し(当日はふぐの白子の茶碗蒸し)、八寸仕立ての前菜盛り合せ(白魚のおかき揚げ、からすみ餅、飯蛸の旨煮と蛍烏賊、空豆の餅粉揚げ、蛤の器の中には花ワサビとこのわたのあえものなど)が出た後、スッポンの内臓の佃煮、エンペラの唐揚げ、焼きスッポンにスッポン鍋、雑炊と続く、まさにスッポン丸ごと食べ尽くしのコースだ。
付き出しのふぐの白子の茶碗蒸し
八寸仕立ての前菜盛り合せ(からすみ餅、空豆・蛍烏賊の餅粉揚げ、白魚のおかき揚げ、蛤の器の中には花ワサビとこのわたのあえものなど)
で、問題は、このスッポン鍋!! 末冨さん曰く・・・。
「鍋は、スッポンの量が多いほどいいスープがとれるんです。だから、人数が多いほどおいしくなりますよ。5~6人ぐらい集まればほとんど調味料を使わずにすみますから」
このひとことに燃えた私。しっかり6人、招集いたしました。講談社のO氏、テーブルコーディネーターのK女史、麺屋武蔵の矢部木氏のおなじみメンバーに加えて、今回は、広尾「ビンゴ」の小林シェフ夫妻が参加・・・するはずでありましたが、マダムは体調が優れず、当日キャンセル。代打として参加してくれたのは、小林シェフの友人で、千葉のイタリアン料理店「USHIMARU」のオーナーシェフ、打矢さん。いずれ劣らぬ喰いしん坊ばかりである。
前菜、付き出しを軽くいなして、いよいよスッポンの登場! 最初の"内臓の佃煮"は、肝だけでなく、文字通り心臓や腎臓、卵まで入っていてなかなかにアバンギャルド。唐揚げにしたエンペラは、サクッ、モチッのチョッピリ官能的な食感に、思わず口元がほころんだ。
スッポンの内臓の佃煮
スッポンのエンペラの唐揚げ
けれども、一同「う~ん」と唸ったのは、何といっても"焼きスッポン"だった。腿、肩、首などの各部位を、一口~二口大に切り分け、スッポンのスープと酒、醤油で割ったタレで付き焼きにして出してくれるのだが、これが、実に旨い。炭火で焼きあげたその芳ばしい風味に加え、生から焼けばこそのジューシー感がたまらない。どこかジビエを思わせる精悍な香りを漂わせながらも、後口は優しげ。口中を覆う旨味のヴェールは、穏やかなのだ。
焼きスッポン
ひとしきり"焼き"を堪能した後は、スッポン鍋が大鍋で登場。6人分ともなると、実に圧巻だ。末冨さんによれば、スッポンは、浜松のあの「服部養鼈場」の4年ものを使用。1匹約1kg級のビッグサイズで、これぐらいが、味も脂ものって旨いそうだ。が、このサイズともなるとかなりの貴重品だとか。それをなんとコースで、1人1匹は食べる勘定になるらしい。鍋には、およそ6匹分のスッポンのエキスが入っていることになる。獣肉系のスープとも、もちろん魚介系のだしともひと味違う、独特のワイルドさ、そして深みのある滋味が、スッポンスープの魅力だろう。
スッポン鍋
明朝の効果を期待して、おかわりすること3回! そのため、雑炊用のスープが足りなくなり、心優しい末冨さんは、急遽、スープを追加してくれたのでした。
おかげで、雑炊も大鍋いっぱいに完成! こちらも、おかわり3回(注:私だけではありません)完食した私たちでありました。
スッポン雑炊
ちなみに、このスッポンコース。残念ながら、3月いっぱいまで。スッポンの状態のよくない夏場はお休みして、9月のお彼岸あたりから再開。秋には、皆さん、ぜひ焼きスッポンを、お試しあれ!
予算はスッポンコース1人前2万5000円から3万円。
東京都港区西麻布4-2-13 八幡ビル3F
☏03-5466-1270
定休日/月
営業時間/12:00~13:00(L.O.)、18:00~21:00(L.O.)
森脇慶子
フードジャーナリスト
「dancyu」をはじめ、数々の雑誌やメディアのグルメシーンで活躍する、フードライターの草分け的存在。取材はもちろん、プライベートでもひたすら食べ歩きに邁進。その小柄な体からは想像できないほど強靭な胃袋の持ち主。「東京最高のレストラン」の採点者を務めるなど、その舌に絶大な支持を集める。