2009.04.21
驚きの「元町梅林」のコース料理とは・・・
中華街の下見に行った帰り、久々に「元町梅林」へ足を向けた。いつもと変わらない女将さんの笑顔や和貴ちゃん(お店を手伝っている女将のお孫さん。若奥様です!)の明るい声に出迎えられると、不思議に心が和む。
私だけではない。きっと、ここに来るお客様の多くは、料理はもちろん、女将さんの笑顔も楽しみにして来ているに違いない。思えば、「梅林」さんとは、かれこれ20年以上の付き合いになるだろうか。初めて、ここを訪れた時は、本当にサプライズの連続だった。
まず、次から次へとあてどもなく運ばれてくる料理の数々。その品数とバラエティの多彩さに、コースも中盤にさしかかるあたりから目はテンになりっぱなし。さすがの私も途中でギブアップ。すると、今度は、食べ切れなかった料理を、なんときれいにパックに詰めてくれるではないか!! これには、2度ビックリ!(汁物など持ち帰れないものもありますが)
エビフライなど、細長いパックをつないで更にロングにした専用のパックまで用意されていて、そのテクには全く頭が下がる思いだった。
加えて、ただ量が多いわけではなく、そこが「梅林」さんの凄いところ。中でも、私が楽しみにしているのは、新鮮な魚介の数々。佐島と長井の港から直送される魚介類は、正真正銘のとれたて。朝、港に揚がったばかりの魚たちが、市場へ卸すよりも早く夕方までには、ここ「梅林」の厨房に届く。鮮度の良さは推して知るべしだろう。
港で、選別にかける前の、船から揚がった状態のまま届く鰯の塩焼、死後硬直が始まる前のカツオの薄造りは、ここでしか味わえない逸品だろう。(特にカツオは、血合いまでピカピカ。これを、にんにく醤油にくぐらせてアツアツのごはんにのせて食べるヅケ丼とその後、煎茶をかけてかっこむカツオ茶漬の旨さは、他の追随を許さない)
さて、今日は、どんな旬の味を楽しませてくれるのだろうか・・・。
赤身、中トロ、タイ、伊勢エビ、アワビetc.が豪快に並んだ桶盛りのお造りや鯛の塩焼を始め、当日、卓に運ばれてきた料理は、以下の通りだ。
1."餅米シュウマイ" 中華より幾分アッサリ
2."たたきワカメ" ネバネバとコリコリの食感が後をひく
3."イバラガニ" 一見、タラバガニ風!?
4."八寸風前菜の盛り合せ" ヒラメ昆布〆、車エビのアボガドソースなど
5."牛刺し、きゅうりと大根のもろみ添え" 牛はA-5級。風味あり
6."鰻の山椒煮" お茶漬にしても! これはお持ち帰りに
7."贅沢おから" 何が贅沢かって、カニ入りなんです!(エビの時もあり)
8."サワラのお椀" 椀種がサワラというのも珍しい
9."刺身盛り合せ"
10."真鯛の塩焼" もちろん、天然ものです
11."お餅の揚げ出し" 昔、江川選手が気に入って、1人で3~4個も食べてしまい、最後までコースを食べきれなかった・・・という伝説あり
12."空豆のチーズ和え" コクのある白和え?風
13."ザル豆腐" 新潟から取り寄せている甘味の強い豆腐。塩で食べる
14."お漬もの盛り合せ" きゅうり、人参、セロリ、柚子皮、ウド、白菜のぬか漬。たくわんのゴマよごし。意外にいけたのが柚子皮。酒肴にもなりそう。ぬか漬はすべて女将さんのお手製。古漬になる三歩手前くらいのほどよい酸味についつい手がのびる。
餅米シュウマイ
たたきワカメ
イバラガニ
八寸風前菜の盛り合せ
牛刺し、きゅうりと大根のもろみ添え
鰻の山椒煮
贅沢おから
刺身盛り合せ
真鯛の塩焼
お餅の揚げ出し
空豆のチーズ和え、ザル豆腐
お漬もの盛り合せ
これで〆めの食事と思ったあなた!それはあまい!! まだまだ折り返し地点だ。
15."ビーフシチュー" 今日の新作
16."ロースト・ビーフ" A-5ランクの牛もも肉を使っているため、しっとりと柔らかく肉そのものの旨味をジワッと感じさせてくれるのも赤身ならでは。あの黒澤監督も好物だったとか
17."花豆の煮物" 皮が口に残らぬ柔らかさ。ご主人は煮豆名人です
18."金目鯛の煮つけ" 脂ののった金目鯛。皮がトロトロ。ごはんを呼ぶおいしさ
19."鰻の笹蒸し" 定番メニュー
20."エビフライ" たっぷりのフルーツや野菜で作った自家製ソースが上出来
21."ステーキ" A-5ランクのサーロインを使用。醤油でつけ焼きにした芳ばしい一品。ランチには、これをのせた丼もある
22."春巻" 中身はカニとヒラメのしんじょう
23."伊勢エビのみそ汁" お造りの伊勢エビの頭入り
24."じゃこサラダ" サッパリ味
25."マグロ漬け丼" ミニサイズ。私の特注定番メニュー。カツオのシーズンにはカツオ茶漬に
26."メロン" これでフィニッシュ
今回、新作のビーフシチューが大ヒット!
聞けば、サーロインのカブリの部分を使用。マンゴーやパパイヤと共に煮込むこと4時間という力作だけに、ヘタな洋食屋顔負けの出来栄えだ。ビーフシチューというよりも、思わずごはんが欲しくなるハヤシライス的な味わいも好ましい。妙な衒いがなく、どこかお家ごはんのような素直でなつかしいおいしさが身上だ。
ちなみに、メニューは、当日の海次第ゆえ、日々変わることをご了承あれ。
4月は筍の季節。4月いっぱいは、近くの竹林から毎朝届く掘り立ての筍を駆使した筍尽くしコースが、卓を賑わせる。
神奈川県横浜市中区元町1-55
☏045-662-2215
定休日/月(祝日の場合は営業、翌日休業)
営業時間/13:00~15:00、17:00~19:00、19:30~21:30(要予約)
森脇慶子
フードジャーナリスト
「dancyu」をはじめ、数々の雑誌やメディアのグルメシーンで活躍する、フードライターの草分け的存在。取材はもちろん、プライベートでもひたすら食べ歩きに邁進。その小柄な体からは想像できないほど強靭な胃袋の持ち主。「東京最高のレストラン」の採点者を務めるなど、その舌に絶大な支持を集める。