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あの鵜野シェフの新店舗「イル・マンジャーレ」に伺う

2009.05.12

あの鵜野シェフの新店舗「イル・マンジャーレ」に伺う

今日は、去年の12月にオープンしたばかりの麻布十番「イル・マンジャーレ」にて撮影。"15時から"の指定で店に向かう。カメラマンと共に、エレベーターから店にかけこみ、元気よく「よろしくお願いしまぁす!」と声をあげようとしたら・・・ムム。お客様と思しき女性客2人がテーブル席に・・・。

そう、この店がランチも営業していたってこと、すっかり忘れていました。ラストオーダーが夜中の12時、と深夜まで営業しているゆえ、てっきりランチはないものと思い込んでいた私。失礼しました! それにしても夜も昼も営業なんて、鵜野シェフ、張り切っていますねぇ!! もうご存知の方も多いと思うが、ここは、「キオラ」や「ボスケッタ」で腕をふるってきたあの鵜野秀樹シェフが始めたイタリア料理店だ。

焦げ茶のトーンでまとめられた店内は、どこかラウンジを思わせる落ちついた大人のムード。ゆったりとしたカウンター席もあり、一人でも楽しめそうだ。

でも、ここの一番の魅力は、何といってもその豊富なメニュー内容だろう。

一応8,500円のコースもあるけれど、ここではアラカルトで好き勝手に食べるのが一番だ。天現寺の「インカント」とまではいかないが、ひと通りメニューに目を通すには、5~6分はかかる(かからないか?)。熟読したなら10分。更に悩むこと10分。これで20分は楽しめよう。

何せ本日のメニューをあわせれば、軽く40品は超えてしまうほど。おまけに口答のメニューまで加わるのだから、グルメ心は、千々に乱れてしまうのだ。

"白アスパラのソテー 目玉焼と黒トリュフ添え"、"トリッパとサルシッチャ、白金豚の内臓、イベリコ豚の煮込み"、"アサリと生青のりのスパゲッティーニ"に"乳飲み仔豚のコラーゲンたっぷりパテ 胡椒風味"、"アンチョビと天然ふきのとうのスパゲッティーニ"etc、etc。

moriwaki090512-1.JPG アサリと生青のりのスパゲッティーニ

moriwaki090512-2.JPG 乳飲み仔豚のコラーゲンたっぷりパテ 胡椒風味

ね、そそられるでしょう?

先日、来店した折にも感じたことだが、鵜野さんの料理は、「ボスケッタ」(或いは「キオラ」)後半頃から、少しずつシンプルに、わかりやすいおいしさになってきている(ように思う)。根が単純な私は、そんな脳にダイレクトに旨い!と伝わるような、わかりやすいおいしさが好きだ。

でもね、鵜野さんの料理は、一見、フツーのように見えて、実のところ、けっこうフツーじゃない。隠し味や下ごしらえ、調理法にかなり手間ヒマをかけているンですよね。それに、フキノトウとアンチョビを組み合せたり、生ウニとフルーツトマトの冷製パスタに生ワサビをしのばせるなど、ところどころに鵜野さんのテイストが感じられて、メニューを見ながら、ついほくそ笑んでしまう。

この前は、四元豚の肩ロースとイベリコ豚のロース、各々のローストを注文して食べ比べ(もちろん!2人で)。イベリコ豚は、やはり味が濃い。凝縮した旨味が舌にズンとストレートにしみわたっていくような感じだが、対して四元豚の方は、優しく、心なしか甘やかな風味がホワンと舌の上で広がっていく。どちらとも、甲乙つけがたい旨さでした。

で、本日、撮影したのは、夏に向けてのおすすめ料理2品。

まず一品目は、鵜野シェフの十八番でもある冷たいパスタ、"フルーツトマトの冷製フェデリーニ 牛肉のタリアータ添え"2,500円だ。牛肉は、食材フェチの鵜野シェフが、最近見つけて気に入っている福島の酵母牛。何でも餌に酵母を混ぜて育てているそうで、鵜野シェフいわく「赤身が旨い肉なンですよ」。

moriwaki090512-3.JPG フルーツトマトの冷製フェデリーニ 牛肉のタリアータ添え

確かに、サーロインにしてみても、ふつうの牛に比べると、赤身率が高い・・・ように思う。いわゆるとろけるような柔らかさの霜ふり肉ではなく、ガシッとかみしめる味わいのある肉だ。赤身のしめる割合が多い分、肉そのものの旨味がジワリと舌に伝わってくる。

身体にいいものを食べていると、牛も健康になるンだろうなぁ、としみじみ思わせるおいしさだ。一度煮こんでから冷やしたトマトソースは、トマトのコクがしっかり。フランボワーズビネガーの軽い酸味を伴って、レアな牛肉に小気味良く絡む。見ためも涼しげでボリュームもたっぷりの一皿だ。

もう一品は約20種余りの野菜が入った野菜のミネストラ。これは、まさに食べるスープというか飲むサラダ。赤、黄、緑のピーマンやズッキーニなど色彩も鮮やかだ。注文の度、作るゆえ、10分強は待つことになるが、野菜をクタクタにして、とか、歯応えを残してなど、好みの味に作ってもらえる。

moriwaki090512-4.JPG 野菜のミネストラ

コース仕立てでガッツリ食べるもよし、前菜とワインでもりあがるもよし、パスタ一皿で深夜の一人めしと決めるもよし。

自分スタイルで楽しめる使い勝手のいい一軒となってくれそうだ。

イル マンジャーレ
東京都港区麻布十番1-9-2 ユニマット麻布十番ビル6F
☏03-6459-1577
定休日/無休
営業時間/12:00~14:00(L.O.)、18:00~22:00(L.O.)
http://www.ilmangiare.com/
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2009.05.12  |  GOURMET
COLUMNIST

森脇慶子

フードジャーナリスト

「dancyu」をはじめ、数々の雑誌やメディアのグルメシーンで活躍する、フードライターの草分け的存在。取材はもちろん、プライベートでもひたすら食べ歩きに邁進。その小柄な体からは想像できないほど強靭な胃袋の持ち主。「東京最高のレストラン」の採点者を務めるなど、その舌に絶大な支持を集める。

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