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「かわむら」にてステーキ食べ比べ。

2008.11.11

「かわむら」にてステーキ食べ比べ。

A誌のA嬢と共に、今夜は銀座「かわむら」にて夕食。ご存知、ステーキの名店である。来春、4月17日で5周年を迎えるこの「かわむら」。今ではすっかり予約の取れない店としても名を馳せてしまったが、思えば開店当初からすでに予約の取りにくい店であった。

オープンの知らせをうけ、開店数日前に予約の電話を入れたところ、2週間先まですでにいっぱいと聞かされ、ア然としたものだ。それでも、当時は、まだ2週間ぐらい前なら、なんとか7時や8時頃のまっとうな時間に予約をすることができたのだが...。最近では9時以降の2回戦目でさえ、1ヶ月ぐらい前には確保しておかねばならないような状況となっている。

聞けば、近頃は、4時、5時からの早い時間に予約をするという離れ技も浸透し、日によっては、3回転の時もあるというから、まさに恐るべし!「かわむら」である。

で、今夜。
実は、特別に2タイプのヒレステーキを焼いてもらう手はずとなっている。
話は1ヶ月前に遡る。いつものようにいつものヒレステーキ(当日は栃木?)を食べていた私の目に、ふと映ったのは、目もさめるほど(というのは言いすぎですか)赤いヒレ肉の塊。どうもカウンター奥のお客さまのリクエストらしい。

「かわむら」に、一度来たことがある方ならおわかりと思うが、ここのヒレは、ヒレであってヒレではない。そう言って憚らないほど、そのサシ(脂肪)の入り方、美しさは半端ではない。まるで、毛細血管の如くヒレ肉全体に行きわたっているのだ。「サーロインには脂が入りやすいけれど、ヒレにここまで脂が入るには3年以上かかるんです」以前、河村さんからそう聞いたことがある。

だからなのだろう。「かわむら」のヒレは、ただ柔らかいだけではなく、シルクのようなしっとりとした舌ざわりの中、熟成させた肉ならではの鉄分の香り、血の旨味が味蕾の奥底にまでしみわたるかと思えば、サーロインのそれとはまたひと味異なるヒレ特有の繊細かつ豊潤な脂の香りが口いっぱいに広がり、華やかに鼻腔をぬけていく...。とまぁ、それはもう、うっとりするようなおいしさ! なのです。でも、その赤身肉には、また別のおいしさが潜んでいるようで、気になって仕方がない。結局、次回、それと同じタイプの赤身肉も用意してもらうことになっていたのだ。

さて、肉をWで食べるとなれば、お相手は、アルゼンチンで連日1kgのステーキを平らげていた彼女をおいて他にはない。

この日のために? 肉断ちまでしていたA嬢と2人、いつも以上の期待に胸をふくらませて席についた。帆立、ヒラメ、サーモン、蒸し鮑に牛刺しの前菜盛り合せで始まり、コンソメ、サラダと続いて、いよいよお待ちかねのステーキ。肉は、もう先ほどから網の上に鎮座ましましている。肉塊4個が並ぶ様は、なかなかの迫力である。

moriwakiCIMG0122.jpg 右が赤身、左が仙台牛。

果たして皿に盛りつけられたステーキは合わせて約350g。いや、400gか? 和牛ならではの馥郁とした香りを漂わせるそれは、フォークで触れるとポッテリとして重量感のある弾力があり、その内にたっぷりの肉汁を貯えていることが伝わってくる。

まず、待望!? の赤身のステーキから。サシはほとんど入っていない。ジューシーさも柔らかさもそれほど変らないけれど、脂が少ない分、肉汁がシャープ。味わい、後口とも軽い。続いていつものヒレ肉(本日は仙台牛)を一口。ウ~ン、ジューシー。同じジューシーさでも、より香りがふくよかで旨味が濃厚。味にふくらみがある。いや濃厚というよりも肥えた味とでもいえばいいだろうか。まろやかさと華やかさと肉味のコクが混然となって広がるこの口福は、やはり「かわむら」の肉と焼きの技術があればこそだろう。

赤身のスッキリ感も捨て難いけれど...。どちらが旨いかは個人の好みとしかいいようがありませんなぁ...。などとのたまいつつ、2人共、見事! ステーキ2枚を平らげました。食事はオマール海老のカレー。デザートのヨーグルトのシャーベットでフィニッシュ!
今日もよく食べました。



かわむら
東京都中央区銀座7-3-16 東五ビル 1F
☏03-3289-8222
営業時間/18:00~22:00(L.O)
定休日/日・祝

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2008.11.11  |  GOURMET
COLUMNIST

森脇慶子

フードジャーナリスト

「dancyu」をはじめ、数々の雑誌やメディアのグルメシーンで活躍する、フードライターの草分け的存在。取材はもちろん、プライベートでもひたすら食べ歩きに邁進。その小柄な体からは想像できないほど強靭な胃袋の持ち主。「東京最高のレストラン」の採点者を務めるなど、その舌に絶大な支持を集める。

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