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最近イチ押しのチャイニーズ「Renge」へ

2010.01.08

最近イチ押しのチャイニーズ「Renge」へ

今宵の晩餐は「Renge」である。
場所は、新宿3丁目。食の不毛地帯などと揶揄されるこの界隈に、昨年の8月、オープンした期待の新店だ。"チャイニーズ・タパス"を標榜する同店、一見、スナック風のざっくばらんな雰囲気ながら、出される料理は"タパス"の域をはるかに超えている。加えて一人でもフラリと入れる気軽さも気に入っている。

ということで、最近(私の中では)イチ押しのチャイニーズに、編集者のY氏と同業のH女史の3人で繰り出した。

 まずは"タパス5種盛り合わせ"からスタート。"四川風よだれ鶏"、"白子のマリネ"、"鶏レバーのムース"に上海の常備菜の一つ"辣宝菜"、そして"紅しぐれ大根のピクルス"が少しづつ品良く盛りつけられている。中でも鶏のしっとりとした胸肉に、小気味よい辛さのタレが絡む"よだれ鶏"が、後を引く。


タパス5種盛り合わせタパス5種盛り合わせ


続いて、看板料理(と私は思っている)の"車エビのチリソース"。チリソースとはいっても、ここのそれは従来のスタイルとは、180度異なっている。まず、ケチャップは一切使わない。そして辛味もほとんどない。車エビのあまみや旨味が全面に引き出されたその味は、どちらかといえば、フレンチの"車エビのアメリケーヌソース"に近いなぁ......と思っていたら、オーナーシェフの西岡英俊氏曰く「そう、車エビの頭やみそからとったソースアメリケーヌを加えているンです」。


車エビのチリソース車エビのチリソース


そうかぁ、それで、こんなにも風味豊かで奥行きのある甘みが広がるんだと納得。残ったソースも、蒸しパンにつけてきれいに頂く。本音を言えば、ごはんが欲しいくらいだ。

その後、肉々しい手作りの焼餃子が出て、次が"干し貝柱と白菜の炒めもの"。クタクタになるまでじっくり炒めた白菜は、白菜本来の甘みがじんわりと引き出され、そこに干し貝柱の滋味が優しく重なる。見ためは地味ながら、実にしみじみとした余韻豊かな味わいに心も和む。そういえば、以前に食べた"白菜のスープ蒸し"も忘れられない味だ。


干し貝柱と白菜の炒めもの干し貝柱と白菜の炒めもの


ここで一息ついたところで、事前に頼んでおいた"小鳩の乞食鶏"が登場。ふつう、乞食鶏といえば、"にわとり"が定番。おなかの中にいろいろなつめものをしてハスの葉で包み更に粘土のような土で覆って焼き上げる料理だが、西岡シェフは、少人数向けに小鳩でアレンジ。つめものもせずに、シンプルに焼きあげるのみ。鶏に比べ、小鳩の方が凝縮した旨味を感じさせる。

ソースは、鳩の骨からとっただしに醤油と蜂蜜で味付け。柔らかな甘み中、隠し味の魚が仄かに中華の香りをそえ、全員骨までしゃぶりつきそうな勢いでかぶりつく。美味い!! 

だが、それ以上に私の舌を喜ばしてくれたのは、ビーフン(要予約)である。実は、ビーフン、大好物なンです。西岡シェフが作ってくれたビーフンは、ややしっとり系。味付けは塩とほんの少しの醤油ぐらいだろうか。シンプルな味付けながら、麺一本一本に旨味がしっかりとしみこんでいる。あきのこない旨さだ。

「スープをじっくり煮含ませるのがコツ」だそうだけれど、少しもベタついたり、ダンゴ状態になっていないのは、さすがプロ。山盛りで出されたにもかかわらず、あっというまに平らげてしまった。恐るべし3人の食欲!

ここで、"上海カニのタパス3種"のメニューをうっかり見逃していたことに気づき、早速追加。その内容は、春巻、酢のもの、クリームコロッケの3種で、もちろんいずれにも"上海蟹の"の文字が入る。


上海カニのタパス3種上海カニのタパス3種


そして、最後は"仔羊の南乳焼"。南乳と砂糖を混ぜ合わせて裏ごししたタレに1日漬けこみ、焼いてあるそうで、この南乳のタレが、チョットアブナイほど旨い。病みつきになりそうな、ちょっとクセのあるおいしさがタマリマセン。フレンチのそれを思わせる見事なロゼ色に焼きあがった仔羊で食欲をそそる。想像通りの柔らかさ。仔羊の風味と南乳の香りのマッチングもエキゾチックだ。


で、〆めは(最後と言ったのに、まだ食べます。炭水化物は別腹?です)、炒飯とネギそば、どちらにしようかと散々迷ったあげく、どちらにも決めきれず、結局どちらも頂くことに。「3人でわければ、両方ともいけるよ」
これが3人の下した結論でした。

"金華ハムの炒飯"に、具はネギのみ、の文字通りの"ネギそば"と、双方とも、いたってシンプル。好きだなぁ、こういうシンプルさ。
何てったってごまかしがきかない仕込みの丁寧さや料理人の腕がシビアにわかる。細かく刻んだ金華ハムと卵、ネギのみの炒飯は、パラッとしていてふんわり、しっとり。金華ハムの熟れた塩味が、卵のあまみをほどよく受け止める。スープ代わりのネギそばの、鶏ガラスープも限りなくクリアな味。飲み干した後、思わず至福のため息がもれた。

で、最後の最後、これが本当のフィニッシュは、デザートのゆでゴマ団子。
あー。もう、これ以上何にも入らない! くらい恍惚となって、帰路についた3人でした。

Chinese Tapas Renge
東京都新宿区新宿3-12-1 2階
☏03-3354-6776
営業時間/18:00~24:00
定休日/月曜
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2010.01.08  |  GOURMET
COLUMNIST

森脇慶子

フードジャーナリスト

「dancyu」をはじめ、数々の雑誌やメディアのグルメシーンで活躍する、フードライターの草分け的存在。取材はもちろん、プライベートでもひたすら食べ歩きに邁進。その小柄な体からは想像できないほど強靭な胃袋の持ち主。「東京最高のレストラン」の採点者を務めるなど、その舌に絶大な支持を集める。

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