2010.07.02
東京に遊びに来る人も、仕事で泊まる人も
きっとこのホテルがお気に召すでしょう!
「庭のホテル」水道橋/東京
水道橋と言えば、後楽園遊園地や巨人軍の本拠地である東京ドームで知られています。でもその水道橋自体をよくよく知る人は案外少ないのではないでしょうか。私もその一人でした。東京にはまだまだ江戸の歴史を秘めた街角やその香りを残す文化が宿る場所も多く、少なくはなりましたが、江戸っ子気質を引き継ぐDNAが息づいています。
そんな貴重な江戸っ子の一人が、「庭のホテル 東京」の代表取締役社長、オーナーである女性です。彼女が創り出したホテルは、隅々まで細やかな気配りが行き届き、とっても気持ちのいい空間でした。
緑の植栽が快適なエントランス
ホテルはJR水道橋からも徒歩でわずか3分の距離にあるのに、反対側の後楽園遊園地側とは対照的に静かなエリア。「庭のホテル」は構想期間5年を経て、2009年5月にオープンしたホテル1年生です。館内への入り口付近からすでに植栽や水が配され、ホテル名の通りに'庭'を感じさせる作りになっています。天井の高い明るいロビーからフレンチレストランへと入ると、なんと東京とは思えない草花や木々の茂る閑静な'庭'が鑑賞できます。庭を挟んで対面にある日本料理レストランからも眺められ、四方からこの庭が鑑賞できるのです。小鳥が集まり、水の流れを聞いていると、都心にいることさえ忘れてしまいます。
雰囲気の違う夜の中庭
(左)自慢の中庭、奥に見えるのは日本料理レストラン(右)日本料理「縁」の旬の料理
(左)オールデイ・ダイニング、 グリル&バー「流」(右)2階にある空中庭園、都心を忘れてしまう
かつて、現オーナーの祖父母が開業したという旅館「森田館」から75年。当時、森田館でも同じように自然を愛でる庭があったといいます。まさに旅館のルネッサンスのような気がしてなりません。ここそこに意識して表現された'江戸の粋'は、むしろ今では流行の先端を行く'スタイリッシュ'な印象もあり、居住の快適性や上質感をプラスしたと語るとおり、一貫して江戸から東京に伝わる「和の伝統美」がコンセプトのホテルなのです。
ロビーに一際目立つ大きな行灯形の照明、客室の渋くて粋な布使い。どこにもキラキラと煌びやかな色遣いはないのですが、見えないところに気を遣う、江戸っ子らしい粋なお洒落が生きています。客室もシックで、広め。調度品も和の家具や障子窓、和の茶棚、茶道具などこだわりが見えます。
(左)行灯形のライトが美しいロビー(右)ロビー&フロント・エリア
(左)プレミアムルーム(右)障子の窓からの光りが優しいスタンダードルーム
リーズナブルな予算で滞在できる高級感溢れるホテルは、東京では貴重です。それに何よりも人気の'手作りアイテムの並ぶ朝食ブッフェ'は、一度試してみる価値はありますよ。2310円というリーズナブルな料金で提供される朝食は、茨城県のエコファームで生産される新鮮野菜のサラダバー始め、生ハム、サラミなど肉類、ヨーグルト、チーズ、シリアルなど外国人の好む朝食アイテム、旬のフルーツ、それに自家製パンがずらり。焼き魚や佃煮、漬け物、味噌汁など和食派にも対応しています。卵料理はリクエストもできて、朝から食べ過ぎに注意警報が出そうです。でも、ここでは1800円のコースランチも大人気。とにかく、都心のとっておきのホテルです。そして「庭のホテル」は、ミシュランガイド2010年で「快適なホテル」に選ばれました。(K.S)
庭のホテル 東京
東京都千代田区三崎町1-1-16
tel 03-3293-0028 fax 03-3295-3328
www.hotelniwa.jp
部屋数:238
室料:(2名定員室料、1名可)スタンダード18.900円、
スーペリア24.150円、プレミアム36.750円、
施設:フレンチレストラン、日本料理レストラン、
空中ガーデンの見えるリフレッシュラウンジ、
ワークアウトルーム(エクササイズマシン)、
ファンクションルーム、ビジネスコーナー、他
せきねきょうこ
ホテルジャーナリスト
フランス留学後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所に勤務中、 4ツ星ホテル住まいを経験。94年から世界のパイプを武器に ジャーナリズムの世界へ。ホテルの「環境問題、癒し、もてなし」 の3つをテーマに取材。スクープインタビューも積極的に行なう。 著書多数。近著に「ザ・スパ、ようこそ癒しの世界へ」(07年、 集英社刊)、「メキシコ~デザインホテルの旅」(08年9月ダイアモンド社刊)。